MVPは誰だ? あるか、史上初の最下位球団からのMVP

パリーグは満場一致で田中将大か

 これまで優勝チーム以外からMVPになったのは10選手。近年では2008年の岩隈久志(楽天)がいる。この年の楽天はリーグ5位。1982年の落合博満(ロッテ)、1988年の門田博光(南海)も当時のチーム成績は5位で、それが過去のMVP選出チームの最低順位だった。

 だが、バレンティンが所属するヤクルトは、9月7日現在でその5位よりもさらに低いセ・リーグ6位。名誉か不名誉かは定かではないが、王貞治氏の持つシーズン最多本塁打記録の55本を超える勢いの助っ人は、史上初めて6位チームからのMVP獲得となる可能性があるのだ。

 一方のパ・リーグは満場一致となるだろう。現在1位の楽天を支えるエース田中将大だ。9月7日時点で開幕から無傷の20連勝。この田中の奮投で、楽天は球団創設9年目にして初優勝に手が届きかけている。新外国人のマギーや首位打者を狙う銀次などの候補もいるが、田中の勢いには敵わない。

 2位のロッテも楽天に迫ってきているが、その強さはチーム力にあるため、個人成績で田中を超える選手を挙げることは困難だ。育成からチームの勝ち頭になっている西野勇士やベテラン・井口資仁も好結果を残しているが、田中以上のインパクトは残せていない。

 もし仮に楽天が2位となって田中が選ばれ、セ・リーグは優勝した巨人ではなくバレンティンが選ばれたとしたら……。両リーグともに優勝チーム以外からMVPが選出されるのも、史上初のこと。今シーズンは個人記録が例年以上の盛り上がりを見せているだけに、優勝争いだけでなく、MVP争いも必見だ。

【了】

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