キャリア24本目となるグランドスラムを放ったAロッドの存在感

通算24本目となるグランドスラム

 薬物疑惑の渦中にあるスーパースターが、また1つ偉大な記録を打ち立てた。ヤンキースのアレックス・ロドリゲスが、20日のジャイアンツ戦で試合を決める満塁ホームランを放った。これがキャリア24本目のグランドスラムで、ヤンキースの往年の強打者ルー・ゲーリックを抜いてメジャー史上1位に浮上。米全国紙USAトゥデーは、このニュースを大々的に取り上げた。

 歴史的な1本が飛び出したのは、1―1の同点で迎えた7回。ジョージ・コントスから右中間に打ち込んだ。試合を決める一発で、チームもプレーオフ進出争いに踏みとどまった。アンディ・ペティットが今季限りでの引退を表明した直後の試合だったため、同紙は特別な意味を持つ本塁打だったことにも触れている。

 Aロッドは2週間ほど前から、両足もも裏の張りで成績を落としていた。しかし、ジョー・ジラルディ監督は、ここ数日のランニングを見て状態が上向いていることに気付いていたという。本人も「足の状態は良くなっている」と手応えを示し「これが野球だ。1つのスイングであらゆることを変えられる」と値千金の満塁弾を喜んだ。

 薬物疑惑で今でも大ブーイングを浴びる中、8月上旬の戦列復帰からこれで7本塁打。特に、ゲーリックを抜き去ったこの一発は、ワイルドカードでのプレーオフ進出を狙うチームに勢いを与えそうな気配だ。7回1失点と好投したC・C・サバシアは「なぜ我々が勝ち抜けないんだ? どんなことでも起こりうる。何でも起こせる男たちが、ここにはいる。今夜、何が起こったかを見ただろう。このままいいプレーを続けるだけだよ」と話した。ヤンキースは続く21日のデーゲームでも、ジャイアンツに快勝した。

 薬物疑惑でどんなにたたかれようと、Aロッドが打てば米国中の注目を集め、メデイアでの扱いも大きくなる。大逆転でプレーオフに進出するためには、やはりこの男が欠かせない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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