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上原浩治が140キロ台中盤の直球でクローザーを務められる理由は?

守護神がいなければ、レッドソックスの地区優勝はなかったかもしれない。今季、メジャー屈指の名門球団での上原浩治の存在はそれだけ大きい。

レッドソックス

圧倒的な安定感でレッドソックスを地区優勝に導いた上原

 守護神がいなければ、レッドソックスの地区優勝はなかったかもしれない。今季、メジャー屈指の名門球団での上原浩治の存在はそれだけ大きい。その安定感はチームNO.1、いや、メジャーNO.1だろう。米メディアの中でMVPに推す声が出るほど、大きな賞賛を浴びている。

 開幕は中継ぎでスタートし、当初から好調を維持していたが、評価が一気に高まったのは、やはり6月21日にクローザーに指名されてからだろう。ジョエル・ハンラハン、アンドリュー・ベイリーが次々と負傷して巡ってきた大役の座を、期待以上の活躍で守ってきた。

 米国中の注目を集めたのは、驚異の連続記録だ。8月17日のヤンキース戦でクリス・スチュワートをサードフライに仕留めてから、37人連続アウトをマークした。先発ならば完全試合の「27」を軽く超える快記録。救援投手としては07年のボビー・ジェンクス(ホワイトソックス)の「41」にあと4人に迫る歴代2位となっていた。

 さらに、7月9日のマリナーズ戦から数えれば、連続無失点イニングは30回1/3、連続無失点試合は27まで伸びた。9月17日のオリオールズ戦で同点の9回に決勝点を献上してすべての記録はストップ。本人は「(記録は)周りが言うほど気にしていない。負けが付いてはいけないポジションなので、負けたことがとにかく悔しい」と話した。だが、登板68試合目での今季初黒星という事実が、改めて成し遂げてきたことのすごさを際立たせた。

 上原の直球の平均速度は89マイル(約143キロ)程度。落差のあるスプリットとのコンビネーションで打者を打ち取っていくものの、メジャーのクローザーが投じる直球と比べると球速は遅いと言わざるを得ない。それでも超一流の抑えとして活躍できる理由については、日本だけでなく米メディアの間でも盛んに報じられてきた。そして、今季の活躍が強烈になればなるほど、議論は深まっていった。米国では「その理由は科学的には証明できない」という報道もあったほどだ。

 直球がどれだけ伸びているかを実質的に示す指標である「バーティカル・ムーブメント」は、今季50イニング以上を投げている投手では4位タイにランクされている。これもしきりに報道されており、称賛の的となっている。

 さらに、上原の特徴はスピンの効いたフォーシームを投げるということ。アメリカではボールを打者の手元で動かすことが主流で、同じ速球でもツーシームやカットボールを投げる投手が圧倒的に多いわけだが、上原のボールは変化せずに真っすぐ伸びてくる。これもメジャーの打者を惑わす1つの要素である。しかも、回転数が多いために、初速から打者の手元に到達するまでの速度がほとんど変わらない。

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