ポストシーズンで躍進するチームは?~ナ・リーグ編~

21年ぶりのプレーオフ進出を決めたパイレーツ

 レッズはワイルドカードこそ確保したものの、中地区2連覇を逃した。優勝候補筆頭と見られていただけに、意外と苦しんだ印象だ。新加入の韓国人リードオフマン・秋信守が得点、四球、出塁率でリーグ2位と奮闘。ブランドン・フィリップス、ジョーイ・ボット、ジェイブルースといった中軸は強力で、リーグ3位の得点力を誇る。

 エースのジョニー・クエトを9月中旬までほぼケガで欠きながら、マット・レイトス、ホーマー・ベイリー、マイク・リーク、ブロンソン・アローヨと4人の2ケタ勝利が誕生した先発陣も安定感がある。剛速球左腕の守護神アロルディス・チャップマンは計算できるだけに、その前を投げる救援陣が鍵を握るだろう。ブルペンで落とした試合が多いだけに、奮起が期待される。

 ダークホースは21年ぶりに勝ち越しを決め、その時以来のプレーオフ進出を果たしたパイレーツ。こちらも投手力が持ち味で、復活したフランシスコ・リリアーノは16勝を挙げ、一発勝負でも期待できる。A・J・バーネットも8勝11敗と負け越してはいるが、防御率3・43と数字は悪くない。11年のドラフト全体1位指名で、将来のサイ・ヤング賞候補とされるゲリット・コールも頭角を現し、先発陣は面白い。ブルペンも安定していたが、抑えとして30セーブを挙げたジェイソン・グリーリが7月下旬に右前腕を故障し、復帰したばかりなのが不安要素だ。

 打線は、チームの顔でもあるアンドリュー・マッカチェンが打撃3部門とも高水準でMVP級の活躍。ペドロ・アルバレスが36本塁打と好調を維持し、8月下旬にはツインズからジャスティン・モーノー、メッツからマーロン・バードと2人の強打者を獲得した。チームの本気度が見えるが、プレーオフでは経験不足がどう作用するか。レッズとのライバル対決となる一発勝負のワイルドカード・ゲームが見ものだ。

 1試合を残した段階で、地区シリーズの対戦は決まっていない。ただ、現時点ではカージナルスが最高勝率となっているため、ドジャースとブレーブスがいきなり激突することになりそうだ。

 ドジャースは、絶不調だった6月以前とはいえ、2勝5敗と直接対決で負け越しているだけに、いきなりヤマ場を迎えることになる。一方で、ブレーブスは02年から5年連続で地区シリーズ敗退と、チームとしての勝負弱さがあり、こちらも不安を抱える。

 最終戦の結果次第では、ブレーブスとカージナルスが入れ替わる可能性もあり、状況が大きく変わるかもしれない。それでも、すべての様子を総合するとドジャースが有利との予想が多い。ワールドシリーズでの盛り上がりを考えても、名門の完全復活に期待したいところだが、果たして。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY