【ポストシーズン展望】プレーオフ進出チームが出そろったア・リーグ。Wシリーズに駒を進めるチームは?

インディアンスとレイズが台風の目に

 ワイルドカード1位には、インディアンスが予想外の快進撃で入った。打線に特筆すべき数字を残した選手はいないものの、ニック・スウィッシャーの加入で軸ができた。投手陣は、ジャスティン・マスターソン、ウバルド・ヒメネスの2人に加え、新星の剛腕ダニー・サラザーが7月に昇格して先発で好投しているが、後半戦に不調に陥った抑えのクリス・ペレスが不安要素だ。最後は10連勝でシーズンを締め、勢いに乗る。一発勝負のワイルドカードゲームに勝てば、快進撃もあるかもしれない。

 インディアンスとの決戦に挑むレイズも、台風の目となりうる存在。デビッド・プライス、マット・ムーア、アレックス・カッブ、クリス・アーチャーをそろえる先発陣は、タイガースに匹敵する。主軸のエバン・ロンゴリア、ベン・ゾブリストに、新人王候補のウィル・マイヤーズが加わった打線も潜在能力は高い。

 不安は安定感を欠くブルペン。序盤戦の絶不調から輝きを取り戻しつつある抑えのフェルナンド・ロドニーがキーマンか。そして、何より頼りになるのがジョー・マドン監督の存在。限られた戦力でも着実に結果を残す名将は、08年以来のワールドシリーズ進出を虎視眈々と狙う。こちらもワイルドカードゲームさえ勝ち抜けば、一気に頂点まで駆け抜ける力を持っている。

 順当に行けば、レッドソックスとタイガースがリーグ優勝決定シリーズ進出となるはずだが、今年のア・リーグは何が起こるか分からない。ワイルドカードの2チームの力を考えれば、下克上も十分にありえる。日本人としては、上原が世界一の胴上げ投手になるとこも見てみたいが、果たして…。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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