【イチロー4000本安打の価値】イチローの言霊(後編)

一番しんどいのは無関心なこと

――(4000本安打達成の試合を観戦していた)和田アキ子さんはイチローさんが打ったのを見て泣いたと言っていた。自分のプレーで人の心を動かす、喜ぶことを通り過ぎて泣かせることまでいっているという状況をどう思うか?

「芸能人ですからねぇ。涙は意図的に出るんじゃないのかぁ。そうじゃないといいですけどね」

――自分のプレーで人を泣かせるというのは究極のことか?

「それはプレーによってというよりも、ああやって喜んでくれている。ヤンキースタジアム、ニューヨークで、僕だけのために人がああやって動いてくれている状況じゃないですか、きっと。まぁ、僕だって半泣きになりましたよ。気持ち的にはね。究極ではないですよ。なんでもいいんですよ。スカッとして気晴らしになってくれるでもいいし、僕のことが大嫌いで、大嫌いなので、僕のために時間を使う人っているじゃないですか。あいつこんな会見しおってとか。でも、それは僕のためにエネルギーを使ってくれていることなので、同じではないですけど、うれしいですよね。1番しんどいのは無関心なこと。無関心を振り向かすって無理なので、それが1番つらいですね。大嫌いでもいいから、関心があったらうれしいですね」

――自分に決して満足せずにやってきた結果か?

「いえいえ。僕、満足いっぱいしますよ。今日だって満足してるし、それを重ねないとダメだと思う。満足しない、したら終わりなんて言う人は弱い人。満足を重ねないと次が生まれないと思うので。僕はもの凄いちっちゃいことで満足するし、達成感を感じる。それを感じることによって、次が生まれる。意図的に『こんなことで満足しちゃいけない。まだまだだ』って言い聞かせている人は、しんどいですよ。じゃあ、何を目標にしていいのか分からない。嬉しかったら喜べばいいというのが僕の考え方」

――ジラルディ監督は、イチローはまだやり切っていないと話していたが。

「だから、ラインアップにいないのかな(笑)」

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