宮本慎也の後継者となれるか ヤクルト岩村明憲にかかる来季への期待

岩村にはチームを変える力がある

 男の目は死んではいない。昨年まで所属していた楽天がクライマックス・シリーズ(CS)、日本シリーズと熱い戦いを繰り広げる裏で、ヤクルト・岩村明憲内野手(34)は来季に向け、動き出していた。スワローズの秋季練習に参加し、「来年は最後までプレーしたい。後半は体の状態も良かったからね」。まだやれる自信もある――。その表情には強い決意が浮かんでいるようにも見えた。

 岩村は昨年オフに楽天を自由契約となり、7年ぶりにヤクルトに復帰。序盤は先発出場したが、その後は代打などでプレーした。プロ野球の世界では、チームが優勝争いやCS戦線から外れると、将来を見据えて若手中心の起用にシフトしていく。

 チームが最下位に低迷すると、岩村の出場機会も激減し、最後は2軍でプレーした。だが、そこで闘志を失わなかった。スワローズはイースタン・リーグで優勝。岩村自身は2軍での登録日数の問題もあり、ファーム選手権に出場できる権利はなかった。プレーはできず、ソフトバンクに敗れたものの、岩村は陰で一緒に現役でプレーしていたことのある首脳陣とコミュニケーションを取り、若手に叱咤激励を続けていた。

 岩村にはチームを変える力がある。

 今季、ア・リーグのワイルドカードでプレーオフに進出したタンパベイ・レイズ。その球団には、岩村の名がしっかりと刻まれている。レイズ関係者は「アキはチームのことを理解し、順応した選手だった」と振り返る。アキというのは、岩村の愛称だ。

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