メジャー強化責任者へのアンケートで判明。マー君争奪戦の大本命は一転、ドジャース!?

ESPNが行ったインサイダーへのアンケート

 ワールドシリーズの幕が閉じたメジャーリーグはすでに新たな戦いが始まっている。全米中を賑わすオフシーズンの話題、いわゆるストーブリーグは定例のGM会議で更なる活性化を見せるのが、近年の傾向だ。今年は今月11日からオーランドで行われている。30チームの強化責任者はその会議で、ビデオ判定やホームベース上の激突などのルール問題を議論することになるが、その裏ではホテルの自室やレストランの個室で代理人や他クラブのGMと契約更改やトレードの折衝を行うことになる。

 そのメジャーリーガーの来季去就を左右するGM会議に際し、ESPNが21球団のGMやGM補佐、スカウトやマネジメント会社等に行った市場調査アンケートが全米で話題になっている。

 当然、質問事項には楽天イーグルスの田中将大投手(24)の来季去就に関するものも含まれており、そのアンケート結果は実に興味深いものとなった。2人が回答を拒否したため、計19票。その中で1位となったのは本命視されているニューヨーク・ヤンキースではなく、ロサンゼルス・ドジャースの9票だった。そして、2位がヤンキースの6票。サンフランシスコ・ジャイアンツ、シカゴ・カブス、トロント・ブルージェイズ、シアトル・マリナーズがそれぞれ1票で続いている。

 ポスティングでの獲得の最有力候補と目されているヤンキースを抑え、ドジャースが過半数に近い票数を集めた裏には、巨額の放映権契約によってメジャーNO1の“金満球団”に変貌したことが大きく影響しているに違いない。さらに、このアンケートの回答者がメジャー業界の裏の裏を知るインサイダーという事実も、この数字に説得力をもたせている。

 記事では10月にシカゴ・ホワイトソックスと6年契約総額6800万ドル(約67億3200万円)でサインしたキューバ人のホセ・アブレイユ一塁手が、同じキューバ人であるオークランド・アスレチックスのヨエニス・セスペデス外野手とドジャースのヤシエル・プイグ外野手という成功例によって大型契約に至ったことを例に挙げており、テキサス・レンジャースのダルビッシュ有投手が今季メジャーに与えたインパクトにより、田中のメジャー移籍ではこれまで以上のビッグマネーが動くだろうと考察。さらには「田中に関しては売り手市場になる。同じような背景を持つ選手の今季成績は重大な意味を持つ。だからこそ、ドジャースとヤンキースという資金力的に大物クラブの争奪戦になるのだろう」と関係者のコメントを紹介している。

 また、あるリーグ幹部が田中について「そこまでの速球を持っているわけではないが、スプリッターが何よりも素晴らしい。まるでカート・シリングのようだ」とコメント。ボストン・レッドソックスなどで活躍したメジャー通算216勝の往年の名投手を引き合いに出されることからも分かるように、もはや田中のアメリカでの評価は最高級の域にまで達している。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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