井端の加入で刺激を受ける寺内 巨人の正二塁手は誰の手に?

井端の加入で激化するレギュラー争い

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来季の巨人の二塁手候補の2013年成績

 中日を退団した井端弘和内野手(38)の巨人入団が現実味を帯びてきた。これまで7度のゴールデングラブ賞を獲得。今年のWBCでも攻守にわたり、サムライジャパンを牽引してきた男だ。加入すれば今年、固定できなかった二塁のレギュラー候補になるだろう。

 ただ、頼もしい選手が加入することに変わりはないが、ただちに「井端=セカンドのレギュラー」という構図にはならない。38歳のベテランは10月に右肘、右足を手術し、開幕に合わせてリハビリを開始した。昨年は打率2割8分4厘、そして2013年シーズンは2割3分6厘にとどまっている。実績はあるが、どこまで力を発揮できるかは不透明。その点を考慮すると、日本シリーズも不動の二塁手として戦った寺内崇幸内野手(30)の方が、現時点では正二塁手に近いと言えるだろう。

 レギュラー争いを強いられる立場からすれば、井端の加入を快く思わなくても不思議ではない。だが、寺内は違う。何が起こっても、動じない男なのである。2010年秋のキャンプで第3の捕手として育成された。ベンチ入りの捕手に万が一のことがあった場合、内野手の寺内にキャッチャーを任せる案があり、本人もその練習をさせられたのである。言葉は悪いが、“便利屋”として使われたのだ。だが、寺内はそれでもよかった。「自分にとってはチャンスですから」と決して否定的にとらえなかった。このことからも分かるように、彼には前向きな思考とひた向きさがある。

 2006年ドラフトは6位と、下位指名で入団。開幕1軍は果たしても、レギュラーポジションはなかなかつかめなかった。1、2軍の行き来を何度も経験するなど、長らく控えの内野手だった。チームが補強を繰り返すのも、入団以来、ずっと見てきた。だが、寺内はそれが強い巨人軍の宿命と受け止めている。井端の加入も驚きはしないだろう。レギュラー争いに勝つためには、まず自分の腕を磨かなければいけないことを分かっている。球団の補強方針に口を出す暇があったら練習をするタイプなのである。

 また、今年の寺内には意外性も、勝負強さもあった。原監督が打撃を教えると、すぐに本塁打を放つなど、今年は自己最多の2本塁打。出場試合数も114試合とプロ人生で最も多く出場した。クライマックス・シリーズでは広島の前田健太から本塁打をマーク。お立ち台では、「なかなか打てないんで、いいところで打てるように、応援している人のために一生懸命やってきた。最高の仕事ができたと思います」とファンの声援に感謝している。そんな真面目な男は日本Sでも楽天・田中将大から本塁打を放ち、絶好調のままポストシーズンを終えた。

 井端の守備力や状況に応じた打撃は球界屈指。寺内は率先して先輩にアドバイスを乞い、自分の技術を向上させることだけに専念するだろう。寺内にとって井端の加入はピンチではなく、自分自身を成長させるチャンスなのである。井端が万全な状態で来季の開幕を迎えたとしても、寺内には十分勝機がある。また、チーム内ではパンチ力が魅力な中井大介(24)、俊足の藤村大介(24)といったメンバーも二塁手のライバルとなる。新戦力の加入は大きな注目を浴びるものだが、その先のレギュラー争いを注意深く見ていくのも面白い。実績のある井幡か、ひた向きな努力を続ける寺内か、あるいは若手か。巨人の正二塁手の座は、果たして誰が手にするのだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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