広島から5人目となる国内FA移籍 大竹寛も飛躍を遂げられるか

過去の選手に共通する思い

 一方、広島から阪神に移籍した事例は2人いる。まずはご存じ、2003年に阪神に移籍した金本知憲外野手である。

 金本は4年総額12億円の契約を結び、その初年度には打率2割8分9厘、19本塁打、77打点で、阪神のリーグ優勝に大きく貢献した。怪我、体の痛みを押してのフルイニング出場で、記憶に残る活躍を見せた。その後も阪神タイガースの4番としてプレーし続けており、金本抜きでは今の阪神タイガースは語れないほどだ。

 そして、2008年の新井貴浩内野手。移籍1年目の序盤は打ちまくり、チームも大快進撃を見せた。7月8日にはクライマックスシリーズ(CS)進出にマジック55を点灯させたほどだった。この時点で巨人とのゲーム差が最大13・5差。7月22日には優勝マジック46が点灯し、オールスター前に60勝を達成した。

 しかし、その夏の北京五輪を境に状況は一変。五輪後に新井は腰の痛みを訴えて、手術するまでになった。チームも下降線をたどり、巨人に優勝をさらわれている。そこから、新井は爆発的な成績を残せておらず、4人の中で唯一優勝の美酒を味わっていない。

 過去の4人に共通する点は強いチームの中で優勝争いを演じたいという思いだろう。それはプロ野球選手ならば誰もが持つ願望だ。万年最下位だった横浜から巨人に移籍した村田修一内野手は緊張感から嗚咽が止まらず、毎日優勝争いのプレッシャーと戦っていた。それが結果的に初めてのビールかけを経験し、移籍して本当によかったと後に吐露している。

 広島からFAで羽ばたいた過去の4人は、いずれも優勝争いに絡む活躍を見せている。しかし一方で、広島は今シーズン16年ぶりにAクラス入りし、CS進出も果たした。それだけに、巨人へ活躍の場を移す大竹は、これまで以上に“勝利”へのこだわりが強くなるだろうし、それが、大竹が成功するための大きな要素となるはずだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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