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黒田博樹と田中将大の来季去就の鍵を握るのはAロッド!?

レッドソックスからFAとなっていたジャコビー・エルズベリー外野手と7年契約1億5300万ドル(約153億円)で合意に達したヤンキースは、やはり今年のストーブリーグでも主役となっている。

ヤンキース

今年のストーブリーグもやはりヤンキースが主役

 レッドソックスからFAとなっていたジャコビー・エルズベリー外野手と7年契約1億5300万ドル(約153億円)で合意に達したヤンキースは、やはり今年のストーブリーグでも主役となっている。

 今季2割9分8厘、ホームラン8本という堅実なセンター、エルズベリーの他に、すでにブレーブスからFAになっていたブライアン・マッキャン捕手を5年総額8500万ドル(約85億円)で獲得。故障による長期離脱で17試合出場に終わったデレク・ジーター遊撃手とは1200万ドル(12億円)の単年契約でサイン済み。ジーターの控えだったブレンダン・ライアン遊撃手とも500万ドル(約5億円)で再契約し、レイズからFAとなっているケリー・ジョンソン左翼手も300万ドル(約3億円)で獲得する見込みとなっている。

 選手の総年俸を“贅沢税”がかからない1億8900万ドル(約189億円)以内に収める方針を掲げているはずのヤンキースだが、新たな大量支出は確定している。この状況でESPNのジェイソン・スターク記者が更なるチーム強化、つまりは黒田、ロビンソン・カノ二塁手の残留、そして、田中のポスティングによる獲得という今回のマーケットにおける3つの目標は可能なのか、という特集記事を掲載し、米国で話題となっている。

 ヤンキースはアレックス・ロドリゲス三塁手の年俸2750万ドル(約27億5000万円)を筆頭に、CCサバシア、マーク・テシェイラ一塁手、エルズベリー、マッキャン、ジーター、イチロー外野手、アルフォンソ・ソリアーノ外野手、ライアン、ジョンソンの9選手だけで、実に約1億4100万ドル(約141億円)もの年俸が必要になるという。更にはブレット・ガードナー外野手、デビッド・ロバートソンとショーン・ケリーの抑えコンビ、イバン・ノバ投手、フランシスコ・セルベーリ捕手の5選手には計1600万ドル(約16億円)の年俸が必要となり、ロースター入りする他の若手陣には総額550万ドル(約5億5000万円)などの支出が見込まれているという。

 今回の特集で最大でも3100万ドル(約31億円)と算出された黒田、カノ、田中のトリオ資金だが、すべてを実現するのは困難と見ている。今季FAとなった黒田はクオリファイングオファーを断り、ヤンキースから改めて推定年俸1600万ドル(約16億円)の単年契約を提示されている。この金額で折り合うかどうかは今後の交渉を見守るしかない。同じくFAとなったカノは総額3億ドル(約300億円)の10年契約という法外な要求をヤンキースに突き付けており、カノ側がマリナーズと極秘交渉を持つなど去就問題は当面収束しそうにない。加えて、田中に関してはポスティング費用以外で、1年1000万ドル(10億円)近い年俸が必要とされるだろうと予想している。

 今季プレーオフ進出を逃したヤンキースにとって、復権の鍵を握るこの3選手は是が非でも抑えたいところだが、贅沢税という天井を考えると資金的には至難な技と言える。今回の特集では解決策として、8月に禁止薬物使用疑惑で211試合出場停止処分を言い渡され、MLB側やバド・セリグコミッショナーと係争中のAロッドの提訴が却下されることだと指摘されている。出場停止処分が適応されれば、ヤンキースはチームの財政をひっ迫するAロッドの年俸2750万ドルを支払う必要がなくなり、贅沢税の対象からも外れることになるからだ。確かに“Aロッドマネー”が来季のヤンキースの出納帳から外れれば、黒田、カノ、田中に対する好条件を用意することが可能になる。かつてのスーパースター、Aロッドのスキャンダルがヤンキース強化の特効薬になるとしたら、それは名門にとって実に皮肉な事態と言えるだろう。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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