10年契約は意味をなさない ロビンソン・カノの不満暴露にヤンキースが反論

生え抜きのクレームにヤンキースは大人の対応

 10年2億4000万ドル(約240億円)の巨額契約でマリナーズにFA移籍したロビンソン・カノ二塁手が古巣ヤンキースの慰留交渉いついて「敬意が足りない」と不満を公表したことに対し、ヤンキース側が反論した。ESPNが報じた。

「ヤンキースから敬意を感じられなかった。もっといいオファーが来るものと思っていた。残留が目標だったが、リスペクトを感じなかった」

 マリナーズの入団会見後にカノはこう語っており、9年間過ごした古巣への不満が物議を醸していた。

 ESPNによると、ヤンキースのランディ・レビン社長は「カノに対しては残念な気持ちしかない。なぜなら、ヤンキースの一員でないことを残念に思っていることだろうから。しかし、私は彼に敬意を払っているし、ヤンキースの一員だったことは美しい思い出だ」と発言。後味の悪さを残すことになった、9年間活躍した生え抜きのクレームに大人の対応を見せた。

 カノはヤンキース側の提示した7年1億7500万ドル(175億円)という条件面において、特に契約年数に対する不満を表明していたが、レビン社長はこれに対しては、しっかりと反論した。

「もしも、これがマイク・トラウト(エンジェルスの若手実力派外野手)なら、私は10年契約を提示する。だが、すでに30歳を超えている選手には、そんな契約を提示することは(ヤンキースにとって)意味をなさない」

 今年10月に31歳になったカノが10年契約を手にしたならば、契約満了時は41歳。確かに、契約期間の終盤に巨額の年俸に見合う活躍を見せるのは常識的に難しいところだろう。

 一方、ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMはカノの発言について、「野球界の交渉事では時に激しい感情を持つこともあるが、我々はロビーを愛している。ただ、ビジネスはビジネス。誰もが難しい選択をしなければいけない。彼にはたくさんの花束を送りたいが、2億3500万ドル(カノ側の最終要求額)はあげられないよ」と力説した。

 オーナーのハル・スタインブレナー氏は「(カノへの)最終オファーには敬意が込められていたと思うよ。7年契約で(1年単位で)年俸2500万ドル(約25億円)だからね。なぜ彼が敬意をないと感じるのかさっぱりわからないが、これが事実だよ」と語っている。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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