新コミッショナーに元特捜部長の熊崎氏が就任へ NPBコミッショナーの役割とは?

多岐にわたる歴代コミッショナーの経歴

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歴代コミッショナーの主な経歴

 これまでの歴代コミッショナーを振り返っても、検事総長だった初代・福井盛太氏を始め、各界の専門家、著名人が務めてきた。その人選は法曹界や大学教授、銀行出身者など多岐にわたる。

 内閣法制局長官などの経歴を持つ第9代の吉國一郎氏は職業選択の自由を強く打ち出し、ドラフト会議の逆指名制度、フリーエージェント制度を導入。日本からMLB行きを目指す選手も増えたこともあり、日米選手契約協定の見直しを行った。

 警察庁警備局長、内閣官房副長官などを歴任した第10代の川島廣守氏はプロアマの雪解けに大きく貢献。高野連の脇村春夫会長と会談し、現役プロ野球選手が高校野球の選手を指導するシンポジウム「夢の向こうに」をスタートさせている。2000年シドニー五輪でのプロ選手派遣の裏にも同氏の尽力があった。

 また、第11代の根來泰周氏は東京高等検察庁検事長や公正取引委員会委員長、第12代の加藤良三氏は駐米大使などの経歴がある。最終的に統一球問題によって辞任した加藤氏は、震災後の3時間半ルールの導入やカウント表示形式の変更(「SBO」から「BSO」)、セ・リーグ予告先発の導入、プロと大学野球の練習試合の開催などを手掛けている。

 今年は統一球隠蔽問題などによって、NPBに対する風当たりも強かった。コミッショナーにはプロ野球経験者を据えるべきという声も上がり、ソフトバンク会長の王貞治氏を推す声もあったが、熊崎氏の就任で決着する見通しとなった。このような状況下で、「落としの熊崎」がこれから起こる問題をどうクリアしていくのか、その手腕に期待したい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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