補強を進めるオリックスは「4番不在」に対応できるか

実力者の加入が目立つ今オフのオリックス

 10年ぶりにオリックスに復帰することになった谷佳知外野手(40)の入団会見が26日に行われた。これでオリックスのオフの戦力補強は大詰めを迎えた。今年は経験豊富な実力者がズラリと並ぶ。ただ、補強は毎年しているものの、Bクラスが続き、今季も5位。果たして、来年のオリックスはどうなるか。

 ここで現時点での新加入の選手をまとめてみたい。

【ヘルマン】
 出塁率4割1分8厘はパ・リーグトップ。40盗塁をマークするなど、1番打者として最適な人材。森脇監督は三塁で起用することを明言。

【ペーニャ】
 今年は不振に終わり、ソフトバンクとの契約延長はならなかった。ただ来日1年目の昨年は21本塁打を放つなど、メジャーでも実績のある大砲。 他の補強選手を見ると一塁、DHでの起用になりそうだ。

【谷佳知】
 2000安打目前の外野手。近年は出場機会に恵まれず、代打での起用が増えたが、40歳にも関わらず、下半身の強さは衰えていない。外野でのスタメンも十分可能。

【山崎勝己】
 強気のリードが持ち味のFA加入の捕手。伊藤との併用になる

【丸毛謙一】
 巨人では育成選手だったが身体能力は高く、場数さえ踏めばレギュラーをおびやかす存在になるかも。

【鉄平】
 楽天の野村克也元監督から「努力する天才」と称されるほどの打者。2009年に首位打者を獲得した外野手。復活なるか。

 上記の補強選手に加え、かつて西武、ソフトバンク、オリックスでホームランを量産したアレックス・カブレラの復帰もささやかれている。日本在籍が長いため、日本人扱いとなり外国人枠を使わなくても済むのをメリットだ。

 以上を踏まえると、果たしてどのようなラインナップになるのか。

 1番はヘルマン、2番はセカンド平野、3番はセンター糸井と順当に組める。6番以降も鉄平、坂口、谷と相手の先発の状況を見ながら、レフト、ライトを含めて見定めていくことも可能だろう。だが、問題は李大浩の抜ける4番がいないことだ。塁に出ても、返せる打者がいない。T-岡田が出てくれば安泰だが、ペーニャでは未知数。となると、カブレラにも可能性があるが、ブランクも否めない。場合によっては「核」を置かず、つなぐ意識の強い打者を4番に据えて、打順を組むこともあるかもしれない。

 オリックスはチーム防御率3・31とリーグトップの成績を誇る。しかし、513得点、485打点はリーグワーストで、結果、5位に沈んだ。ポイントゲッターの存在はチームの浮き沈みを左右する重要な要素であり、4番を誰にするのかが浮上の鍵を握る。いずれにせよ、着々と補強は進んでいるだけに、その戦力をどう活かすか、森脇監督の手腕が問われるところだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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