改めて評価したい2013年プレイバック 広島・廣瀬純外野手の10年ぶりの快挙

15打席連続出塁のプロ野球新記録

 振り抜いた打球はセンター前へ抜けた。4月21日の中日戦(マツダスタジアム)の第4打席。広島の廣瀬純(34)は3打数3安打でその瞬間を迎えた。「自分がこんな記録を作るなんて思わなかった」。15打席連続出塁のプロ野球新記録を達成。スタジアムが沸いた。

 足かけ4試合。この試合まで11打席連続出塁だった。最初の打席でレフト前ヒットを放ち、12打席連続安打。ここから何と4打数4安打と勝負強さを見せ、記録を樹立することになった。8打数連続安打に4四球、3死球という離れ業。この15打席のうち、空振りはたった1度だけだった。好球必打、選球眼の良さがこの記録を導いた。

 今季、中日(.346)、ヤクルト(.320)、横浜DeNA(.333)の対戦打率は3割を超えるも、巨人には2割9厘(阪神には2割9分)と、巨人に対するバッティングが課題だった。また、前半はこの記録のように打ちまくったが、交流戦あたりから失速。5月の終わりまでは打率3割5分をキープしていたが、パ・リーグの投手に苦しめられ、バッティングを崩し、打率を落とした。終盤は控えに回ることも多かった。

 しかし、打ち立てた記録は色あせることはない。それまでの記録は1993年の南渕時高(ロッテ)、03年の高橋由伸(巨人)、小笠原道大(日本ハム)の3人がマークした14打席連続。廣瀬は実に10年ぶりに記録を塗り替えたのだ。廣瀬がシーズンを通してクリーンアップに座れる活躍を見せることができれば、カープの順位も上がっていくだろう。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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