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新人選手たちの心の支え 入寮時に持ち込む人気の「著書」は何?

プロ野球選手への第一歩となる入寮。各選手とも様々な思いを抱いて、新生活のスタートを切る。真っ白な気持ちで何も持たずに入寮する選手もいれば、お気に入りのグッズを携えてくる選手もいる。

東京ヤクルト神宮

ヤクルト・小川が寮に持参した著書

 プロ野球選手への第一歩となる入寮。各選手とも様々な思いを抱いて、新生活のスタートを切る。真っ白な気持ちで何も持たずに入寮する選手もいれば、お気に入りのグッズを携えてくる選手もいる。中でも、お守りや日記、マイ枕といったものも多いが、最も多いのはやはり「本」だ。自分のバイブルと言える書物や、これからの自分のために読もうと思っている書物……。どんな本が選手たちに人気なのか。最近の入寮の例を紹介したい。

 昨年、新人王を獲得したヤクルトの小川泰弘投手(23)はニックネームの「ライアン」の名前に相応しくノーヒットノーラン7回、MLB記録の5714奪三振を誇るノーラン・ライアン投手の「ピッチャーズ・バイブル」を持参した。この本は、ライアンが40歳を超えても剛速球を投げることができた秘密が描かれている。徹底した体調管理や投球術は、小川に大きな影響を及ぼした。

 その小川に新人王は奪われたが、13勝を挙げた巨人の菅野智之投手(24)はヤンキースの18番・黒田博樹投手の「決めて断つ」を持ってきていた。漢字だけ取ると「決断」となる同書。黒田自身がメジャー移籍を決断したときのことや、野球をする上で必ず訪れる決断の瞬間について綴られている。黒田の投球に憧れを抱く菅野の思いが表れた品だった。

 楽天の将来のエース候補とされる釜田佳直投手(20)はもともと本が大好きだったという。その若者が持参したのは、星野監督の著書「星野流」。このように、自分の監督となる人の著書を持ち込むケースは多い。野村克也氏が監督だったときはID野球や、試合前のミーティングが一部紹介されている「野村ノート」を持ち込む選手も多かった。そこには、これから上司となる指揮官がどのような考えを持っているか、事前に知っておこうという姿勢が見て取れる。

 2009年のドラフト1位で阪神に入団した二神一人投手(26)は元阪神のリリーバー・藤川球児の「未熟者」を持ち込んだ。藤川の代名詞となった火の玉ストレートとの出会いや直球へのこだわり、飛躍のきっかけなどを描いた著書だ。二神は、自分の理想の投手に少しでも近づこうとしていたのだろう。

 また、特殊なケースだったのは中日ドラゴンズに2005年のドラフト1位で入団した平田良介外野手(25)。これまで挙げた選手たちは単行本や文庫本などがほとんどだったが、彼が持参したのは野球漫画の「ドカベン」で、漫画が大好きな彼の癒しとなった。ドカベンの山田太郎のようになったかどうかはわからないが、長打でファンを魅了する打者になったことは間違いない。

 そのほかにもダルビッシュ投手は日本ハムの寮に入るとき、村田兆治氏の著書を持参したという話もある。また、名門・横浜高校出身の選手の多くは、母校の監督の渡辺元智氏の著書を枕元に置いていた。ぶれないハート、精神力の強さを描いた松井秀喜氏の著書「不動心」も人気の一冊。昔も今も、本は大切な入寮グッズのひとつなのである。

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フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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