カブスはマー君獲りにすでに100億円を用意!?

カブスが用意している田中獲得のための資金

 本命視されるチームに負けていられない。楽天からポスティングされた田中将大投手(25)に対し、カブスが総額で9ケタの金額の契約を準備していると、米スポーツ局CSNシカゴ(電子版)が伝えた。大方の予想通り1億ドル(約105億円)を超えるオファーを受けることは確実で、ニューヨークやロサンゼルスに本拠を置くチームが有利とされる中、シカゴの伝統球団も猛チャージをかけようとしている。

 カブスは、8~11日にロサンゼルスを訪れた田中と接触したチームの1つとされている。11月上旬のGMミーティングでジェド・ホイヤーGMが争奪戦への参加を一番乗りで表明するなど、当初から熱心だった。

 ここ数年は低迷しているカブスだが、長期的な視野で見た場合、田中獲得は理にかなった補強だという。まずは、来季以降から本腰を入れるとされるチーム再建の過程で、エースとして引っ張ってもらいたい考えがある。また、今年100周年を迎える本拠地のリグレー・フィールドはフェンウェイ・パーク(ボストン)に続いてMLBで2番目に古く、大改修を予定している。生まれ変わるという意味でも、象徴的な選手が欲しい。さらに、将来的なテレビ局との放映権契約を考えても、スターの存在は必要不可欠と言える。

 もっとも、複数の関係者は、田中獲得へ必要な額は「信じられない」ものになりそうだと明かしている。あるチームがカブスのオファーをしのぐ契約年数と金額を用意していることも分かっているという。

 田中の代理人を務めるのは、デレク・ジーターを顧客に持つケーシー・クロース氏で、ヤンキースと近い関係にある。ただ、名門球団は獲得へのプロセスを機密にしており、情報は漏れ伝わってこない。

 先発投手の市場は田中の決断を待って動き始めるとされている。マット・ガーザ、アービン・サンタナ、ウルバロ・ヒメネス、ブロンソン・アローヨといったFA選手は、まだチームが決まっていない。カブスはいざという時のために、今オフのトレード候補に名前が挙がっている若手有望株の右腕ジェフ・サマージャをチームに残し、夏のトレード要員にする考えがあるようだ。

 田中の移籍先が決まるまで、各チームはあらゆることを想定し、準備を進めなければいけない。いずれにしても、カブスがまずは田中獲得へ全力を尽くすことに変わりはないだろう。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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