プロ3年目での抜擢は異例の早さ ロッテ・鈴木大地内野手が主将に選ばれたワケ

伊東監督が感じた1年間での成長

 キャンプ初日。ロッテは、今季の主将に鈴木大地内野手(24)の就任を発表した。伊東勤監督の指名によるものだった。入団3年目での就任は異例の早さ。鈴木は「元気出してやりましょう」とあいさつをした。

 チームの顔になれる選手はロッテにはたくさんいる。その中で選ばれたのが24歳の新鋭。将来、チームを背負って立つ鈴木への大きな期待の表れだった。

 伊東監督はこのプランをずっと秘めていた。

 昨年のある試合でのこと。鈴木は死球を受け、その場にうずくまった。指揮官は交代させようかと思ったが、本人は痛みをこらえて立ち上がると、その後も表情に出さずにプレー。次戦も欠場することなく、チームで唯一、全144試合を戦い抜いた。

 伊東監督は1年間で鈴木の成長を感じたという。「痛いのを我慢してやっていたのが伝わってきた。気持ちを前に出す選手は大地くらいだろう」と、背中でチームを引っ張っていくことができる選手だと判断。その最大の転機となったのは、まだ暑さの残る夏の試合だった。この時から、伊東監督は決めていた。

 東洋大学の4年生の時も4番で主将を務め、キャプテンシーを発揮。その前年の3年生では、そのしっかりとした性格、練習にくらいつく姿勢からチーム史上初めて、3年生で副将を任されるほど人望の厚い学生だった。

 オフには結婚し、気持ちも引き締まっている。遅かれ早かれ、鈴木大地が主将のイスに座るのは自然の流れだったのかもしれない。チームをまとめるだけでなく、その責任感から、自身の打撃成績も伸ばしそうな勢いだ。今季はチームの躍進とともに、鈴木自身の飛躍にも期待したい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY