開幕前からヤンキースは低評価 マー君加入もプレーオフ進出は困難?

興味深いメンバー構成となったが…

■昨年以下のシーズンとなるケース

 ジャコビー・エルズベリーのコンディション次第と分析している。レッドソックスから獲得したエルズベリーの最近のシーズン毎のWAR(サイバーメトリクスによる総合指標。数字が高ければ活躍度が高い)は3・0(08年)、2・7(09年)、-0・1(10年)、8・1(11年・全メジャー選手最高値)、1・0(12年)、5・8(13年)。10年と12年シーズンは負傷の影響で数値が低くなったが、今季は負傷なしのシーズンを送れるだろうか。

■あくまで客観的分析

 移籍市場での大型補強に加え、デレク・ジーター遊撃手とマーク・テイシエラ一塁手の負傷からの復帰は今季、2009年シーズン優勝の再現という期待感をもたせるかもしれないとしている。つまり、それはプレーオフ進出失敗の翌年にワールドシリーズを制覇するということだが、40歳が正遊撃手のチームでワールドシリーズ優勝を成し遂げた例は過去にないとも分析。また、テイシエラはいい選手だが、11年や12年シーズンほどの大活躍はないとしている。

 また、総評ではヤンキースは昨年よりもずっと興味深いメンバーになったとしながら、新加入選手が果たしてどこまでいい補強かを疑問視。WARによると、大型補強で獲得したマッキャンとベルトランも(平均値の2・0を少し上回る)2・2と2・4だったとし、田中とエルズベリーは各ポジションを大きくレベルアップさせたが、それだけでは十分ではないと分析している。

 抑えの切り札(リベラ)と好調だった先発投手(ペティット)を失ったことや、内野陣の老朽化、また39歳の黒田博樹に200イニング以上を託さなければいけないことなどを指摘。最後に「チームは去年より強化されたが、勝ち星は若干減る可能性がある。野球とはそういうものだ」と締めくくり、予想成績を84勝78敗としている。

 今オフの移籍市場ではなりふり構わぬ補強で圧倒的な存在感を示したヤンキースだが、米メディアの目には内野手の陣容が大きな不安と映っているようだ。全米中の注目を集める田中が昨年楽天で見せたハイレベルなピッチングを披露し、黒田が昨年前半戦のパフォーマンスを維持できれば、開幕前の低評価を覆せるはず。開幕前のプレビューに、イチロー外野手の名前が出てこないのは寂しい限りだが、日本最高の安打製造機の奮起にも期待したい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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