マイナー契約のメッツ松坂大輔がサバイバル宣言 マー君とのサブウェイシリーズは「今は考えない」

先発ローテーションを勝ち取る自信はある

 メッツの松坂大輔投手(33)がキャンプ地フロリダで地元メディアの取材に応じ、話題になっている。今季にかける思いや、同じニューヨークを本拠地とするライバル・ヤンキースに加入した田中将大投手へのアドバイスなどを激白した。ニューヨーク・ポスト紙が報じている。

 昨年8月にメジャー契約を結んだメッツと、今年マイナー契約を結んだ松坂は日本からボストンに飛行機で向かうと、キャンプ地フロリダまで車で長旅してきたという。

「去年オフの始まった時からメッツからオファーが来れば、受けようと思っていた。ダン(ウォーセン投手コーチ)やテリー(コリンズ監督)、他のコーチともしっかりとした話はできていた。すごく居心地が良かったし、ここでプレーしたいと思った。もしも、メジャーで先発ローテーションを務められる自信がなければ、日本に戻っていたと思う。ローテーションを勝ち取る自信はあるが、それは自分の力で証明しなければいけない」

 松坂はそう同紙に語ったという。昨年終盤の4試合の先発時で防御率1・37という成績で締めくくった松坂は、まずは先発ローテーションの5番手の位置を手中に収めることを目標に掲げると、早速この日はブルペンで55球力強いピッチングを披露した。

 この姿にコリンズ監督も「去年のシーズン最後(のピッチング)を考えれば、彼がキャンプに戻って来れたことは喜ばしい。彼は我々に大きな安心感を与えてくれる。いいピッチングができるはずだ」と話し、松坂の再契約を歓迎している。

 完全復活をかける一方で、松坂は今年メジャーに挑戦するヤンキースの田中将大投手に自らの経験からアドバイスを送っている。

「誰もが話題にするようなすごく大きな契約はストレスになるかもしれない。新しい環境に来ていろいろな他のこともストレスになるかもしれないけれど、とにかく適応する時間はたくさんあるのだから、まずはアメリカでの生活とメジャーの野球に慣れていくこと」

 松坂は2006年シーズン終了後、西武からポスティングを経て、レッドソックスに移籍。その実力に加え、レッドソックスが支払ったポスティングの入札金5111万1111ドル11セントと、6年総額5200万ドルという大型契約が全米の注目を集めた。ヤンキースタジアムで入団会見を終えたばかりの田中も、7年1億5500万ドルというメジャー史上5位の大型契約が今オフメジャー最大の話題となっている。まさに田中はかつて松坂が歩んだ道程を踏みしめたばかりだ。

「(田中は)色々なことに対応できると思うし、乗り越えることもできると思う。彼は才能のあるピッチャーだし、メジャーで成功できると思う。僕の場合は野球以外の部分がチャレンジだった。野球に関してはそこまでストレスもなかったし、適応できないこともなかったけれど、アメリカのライフスタイルや文化の違いなど日常生活で慣れるのが少し難しかった。日本での生活とは色々と違うので慣れていかないといけない」

 メジャーでのピッチングへの適応には問題なしと先輩は見ている。むしろ、日本との生活習慣など、ふとした違いに戸惑いを感じる場面が多くなり、そこがストレスになるのでは、と危惧していた。

 今シーズンは同じニューヨークを本拠地とするメッツとヤンキースの対戦が待っている。「サブウェイシリーズ」と呼ばれる伝統の一戦だが、「そこまで先のことは考えていない。自分はまだそこのポジションにいない。色々考える前に自分が今できることと、開幕戦でロースターに入ることに集中したい」。

 まずはスプリングキャンプで首脳陣の信頼を勝ち取ること。「Dice-K」と称される元祖怪物とマー君との熾烈な投げ合いがサブウェイシリーズで実現することを期待したい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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