「田中は憎むべきヤンキー」チャーター機でやってきた田中にボストン・ヘラルドが痛烈批判

田中がヤンキースのDice-Kになるかもしれない

 また、「もちろん、田中がヤンキースのDice-Kになるかもしれない」と、レッドソックスファンが獲得は“失敗”だったと認識している松坂大輔と同じような結果になることにも期待。「(レッドソックスの本拠地の)フェンウェイ・パークに来て、3万7499人のファンが紙飛行機で爆撃しなければ、彼はラッキーだ」と皮肉たっぷりだ。とにかく、19万5000ドルのチャーター機が気にくわなかったようで、最後には「我々はすでに彼のことが嫌いだ」とまで書かれている。

 両者がそれだけ強いライバル関係にあるからこそ、田中に憎しみを燃やせるのだろう。名門対決は独特の雰囲気に包まれ、必ず熱戦になる。お互いの選手に対しても、容赦なくブーイングを浴びせる。

 象徴的だったのは、昨年8月のフェンウェイ・パークでの一戦。薬物騒動の渦中にあったアレックス・ロドリゲスがレッドソックスファンの標的となった。他球場でもブーイングの嵐に見舞われていたが、宿敵の本拠地でのトーンは比較にならないほど強烈で、打席に立てば「You use Steroid!(お前はステロイドを使っている)」の大合唱が巻き起こった。

 しかも、4戦目にはメジャーを騒然とさせる事件も起きた。先発のライアン・デンプスターがAロッドに対して3球続けて内角に際どいボールを投げ、最後の4球目を左腕にぶつけたのだ。これには、いつもは温厚なヤンキースのジョー・ジラルディ監督も大激怒。ベンチから飛び出してくると、明らかに故意の死球にもかかわらず退場を宣告しない球審に激しく抗議し、両軍がベンチから飛び出して乱闘寸前となった。

 結局、ジラルディ監督は退場に。当時、Aロッドが米国中で批判されていたとは言え、ここまでの露骨なやり方はどこの球団もできなかった。しかも、レッドソックスファンはぶつけたデンプスターに拍手を送っていた。ライバル関係がはっきりと表れた場面だったと言える。

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