広島・堂林翔太内野手に待ち受ける未来像とは

左手中指の骨折から復活した堂林

 広島の堂林翔太内野手(22)が日南キャンプで行われた17日の紅白戦で、白組の1番・サードで出場し、先頭打者ホームランを放った。紅組・今井の直球をセンター方向へ。「完璧な当たりでした」と喜びをかみしめていたのが印象的だった。

 昨年8月。左手中指に死球を受けて骨折し、シーズンを終えた。カープはクライマックス・シリーズ進出を果たしたが、その輪の中に堂林はいなかった。「自分の手でサードのレギュラーを取りにいかなければいけない」と毎日練習に取り組んでいた。休日でもトレーニングを続けてきた。

 守備にまだ難点があるとはいえ、堂林は20本、30本の本塁打が期待できる。この日の紅白戦でもわかるように、その若き大砲に関しては、野村監督の頭の中に1番の構想があるのは間違いない。

 指揮官が現役の時のチームメイトには通算28度の先頭打者ホームランを放った緒方孝市外野手がいた。強打者が1番に座り、結果を残せば、打線がつながる。緒方氏のように走力のある堂林がリードオフマンになれれば、チームの勢いや得点力も変わってくるだろう。緒方氏が1999年にマークしたシーズン8度の先頭弾は歴代2位の記録として残っている。

 1985年には阪神・真弓明信氏が34本、02、03年には西武・松井稼頭央氏が36本、33本とホームランを放つなどし、1番最強を唱えて、リーグ優勝を目指した。堂林も与えられた新境地を受け入れ、やり抜くことがレギュラー奪回への近道なのかもしれない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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