ワールドシリーズ連覇に向けて平常心 レッドソックス・上原浩治は“マー君狂想曲”に惑わされない!?

名門対決の軍配はどちらにあがるのか

 世界一の守護神は平常心でシーズンに臨む。レッドソックスの上原浩治投手(38)が、ヤンキースに入団した田中将大投手(25)の動向を全く気にしていないとボストンの地元ケーブル局NESN(電子版)が報じた。宿敵の名門球団で繰り広げられている大騒動についての情報は、完全にシャットアウトしているようだ。

 田中のヤンキース入団は、今オフのメジャーリーグの話題を独占した。キャンプが始まってからはさらに騒動が過熱し、オープン戦デビューとなった1日のフィリーズ戦にもたくさんの観客、報道陣が殺到。キャンプ地のフロリダ州タンパにあるジョージ・スタインブレナー・フィールドは大変な騒ぎとなった。

 ただ、タンパから車で約2時間半の距離にあるフォートマイヤーズでキャンプ中の上原は、同じ日本人右腕の周囲で繰り広げられる大騒動をチェックしていない。「僕は全く気にしていない」と通訳を介して話したという。

 38歳のベテランにとって、今、最も大切なのはシーズンに向けての準備。その忙しさから、後輩の動向を気にしている場合ではないようだ。歴史的なシーズンとなった2013年は、難攻不落のクローザーとしてワールドシリーズ制覇の原動力となった。連覇を目指すために、田中のことを含めて、外部の雑音を気にしている暇はない。

 もっとも、昨年のワールドシリーズでは英雄だったにもかかわらず、日本では自分がスターではないという事実を「いつも通り」ユーモアを交えて明かすことも忘れなかったという。上原は、同じように通訳を介して「多分、この(日本)メディアも、田中のところに行ってから、その後に自分のところに来ただけだと思います」と冗談交じりに話したという。

 ただ、メジャーでも最大のライバル関係にある2球団に所属する上原と田中が、シーズンに入ってから多くの注目を浴びることは間違いない。2人だけでなく、ヤンキースには黒田博樹、イチローと実績のある選手がおり、レッドソックスにもセットアッパーとして地位を確立した田澤純一がいる。日本人選手が鍵を握る名門対決の軍配はどちらに上がるのだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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