超一流同士の駆け引き ダルビッシュ有が“天敵”に対して手の内を隠す

エンゼルスとのオープン戦で3回2失点

 レンジャーズのダルビッシュ有投手が4日のオープン戦、エンゼルス戦に先発し、3回を投げ、1本塁打を含む3安打2失点の内容だった。レンジャーズは4-7で敗れたが、ダルビッシュには勝敗はつかなかった。この日のダルビッシュは2012年シーズンの新人王、マイク・トラウト外野手に完全に手の内を隠すなど、シーズン開幕後にすでに照準を合わせていたようだ。ダラス・モーニングニュース電子版が報じた。

 エンゼルスの2番バッター、トラウトはリーグを代表する若き好打者。しかも、昨年サイ・ヤング賞候補に上がるほどの実力者、ダルビッシュを最も攻略している打者でもある。ダルビッシュとは公式戦通算28打席で通算打率は3割2分1厘と相性抜群。しかも、ダルビッシュから放った通算4本塁打は、メジャーのどの打者よりも多い数字だという。まさに天敵だ。

 この日の対決は2打席で、外野フライとシングルヒットという結果だったが、注目すべきは投球内容だ。ダルビッシュが投じたのはすべて速球。変化球などほかの持ち球はあえて見せなかった。

 マウンドを降りたダルビッシュはトラウトに対して手の内を見せたくなかったことを明かし、同選手に対するアプローチもこれまでとはやや異なるものになることを示唆したという。

 開幕後を見据えたダルビッシュの機智に富んだ戦略に対し、トラウトも刺激を受けた様子。「面白いことになってきた。彼がどんな手で来るのかすごく興味があるし、どうなるか見てみたい。僕たちはライバル関係のようになっている。僕たちはそれを楽しんでいるし、そうあるべきだと思う」と話したという。

 超一流の投手と打者の真剣勝負こそがメジャーの醍醐味。お互いが認め合うライバル関係は今季の大きな見所になりそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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