青木宣親のロイヤルズが大穴か? 今季の大リーグを占う――ア・リーグ編

タイガースが優位、青木のロイヤルズが対抗の中地区

【中地区】

 今年もタイガースの優位は動かない。フィルダーは抜けたが、現役最強打者のカブレラ、昨季後半に完全復活したマルチネスを軸とした打線は強力。新加入のキンスラー、デービスがスピードをもたらし、攻撃の幅は広がりそうだ。先発はフィスターが移籍したが、トレード候補にも挙がっていた昨年のサイ・ヤング賞右腕シャーザーが残留。バーランダー、サンチェスとの3本柱は盤石で、大崩れはしないだろう。ここ数年の課題だったクローザーとして、実績十分のネーサンを獲得したことも大きい。名将リーランド監督が昨季限りで勇退したのは不安材料の1つだが、潜在能力は高い。

 対抗はロイヤルズか。新加入の青木はリードオフマンを任されそうだ。打率だけでなく、出塁率も高い安打製造機の加入は大きい。ホズマー、バトラーといった主軸が、どれだけ青木を本塁まで返せるかが鍵となる。シールズを中心とした先発陣も計算できる。昨季、47セーブを挙げ、クローザーとしての才能を開花させたホランドの存在も、チームに安心感をもたらす。ダークホース的な存在として、米国内での期待も高い。日本人選手の中でワールドシリーズに最も近いのは青木かもしれない。

 昨年はプレーオフ進出を果たしたインディアンスは苦しい。エースのマスターソンに続く若手有望株のサラザー、バウアーは、まだ計算できない。ブルペンもアクスフォードらを補強したが、安定感があるとは言えない。スウィッシャーを中心とした打線も、好不調の波がある。レッドソックスを2度の世界一に導いたフランコーナ監督の手腕に期待がかかる。

 ホワイトソックスも戦力的にはプレーオフ進出争いに加わる可能性を秘めている。ダン、コネルコが健在の打線が大化けすれば、東地区ではなく中地区が最激戦区となるかもしれない。ツインズは力的には厳しいか。打線はマウアー頼みで、ヤンキースからヒューズを獲得した投手陣も手薄。黄金時代を築いていた2010年以前と比べると、戦力は完全に落ちた。成功につながる要素も少なく、波乱を起こすのは難しいかもしれない。

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