青木宣親のロイヤルズが大穴か? 今季の大リーグを占う――ア・リーグ編

西地区はアスレチックス、ダルビッシュのレンジャーズ

【西地区】

 今年もアスレチックスが試合巧者ぶりを発揮しそうだ。先発はカズミアーを加え、安定感がある。打線も昨年までと同様に粘り強く、得点を重ねていくだろう。レンジャーズに比べて計算できる戦力が多く、プレーオフ進出の可能性は高いと見る。

 対抗はダルビッシュ有のレンジャーズ。エースはここに来て首の張りを訴えているが、オープン戦での登板は力強く、さらなるレベルアップを感じさせた。重傷ではないと見られ、たとえ開幕に間に合わなくても、すぐに復帰できるはずだ。ただ、投手陣は負傷の多さなどもあって崩壊気味で、先発はダルビッシュ、ペレス以外は流動的。ブルペンもネーサンが抜けたことで不安定になった。ただ、長距離打者のフィルダー、4割以上の出塁率を誇る秋信守を加えた打線には、メジャーNO1との声もある。投手陣の弱さをどこまでカバーできるか。

 毎年のことながら、戦力で言えば、エンゼルスも侮れない。トランボは移籍したが、入団後に不調に陥ったプホルス、ハミルトンといったスーパースターが本来の姿を取り戻せば、一気に優勝候補に躍り出る。MVP候補のトラウトも安定して成績を残すだろう。もっとも、投手陣は繊弱。田中獲得からは早々に撤退したが、ウィルソン、ウィーバーくらいしか計算できる先発投手はおらず、補強しなかったことが響くかもしれない。

 マリナーズは、ヤンキースからカノを獲得。攻守両面において最高の補強に間違いないが、それでも戦力的には厳しいか。拙攻、拙守の数が急激に減るとは思えない。キャンプで指の負傷が明らかになった岩隈は、開幕直後に戦列に戻れる見込みで、ヘルナンデスとの2枚看板が今年も頼みの綱となる。マクレンドン新監督の手腕も未知数で、どちらに転ぶか分からない。また、アストロズは戦力的に圧倒的に厳しく、今年も苦戦を強いられるだろう。

 このように各地区を分析してみると、リーグ制覇の本命は今年もタイガースか。戦力の充実度で言えば、間違いなくナンバー1だ。レイズも不気味な存在。資金力のないチームに、これほどメンバーが揃う年は、この先ないかもしれない。アスレチックスもスタイルは変わらず、プレーオフ進出の可能性は高いだろう。ここに、ヤンキース、レッドソックス、レンジャーズ、ロイヤルズと日本人のいるチームがどれだけ絡むことができるか。大穴はロイヤルズと見る。頻繁に見られるであろう、日本人同士の対決からも目が離せない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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