カブレラやマー君は大丈夫? メジャーで相次ぐ大型契約とその後に見られる不振傾向への懸念

過去10年間で巨大な産業に膨れあがったメジャーリーグ

 2014年メジャーリーグが、いよいよ本格的に開幕した。敢えて“本格的”とつけたのも、今年は3月22、23日にオーストラリアはシドニーで、ドジャースとダイヤモンドバックスによる開幕シリーズ2戦が行われたからだ。北米での開幕戦は3月30日のドジャース対パドレス。翌31日には13試合が開催され、各チームともに1シーズン162試合という長い長い闘いの幕を開けた。

 選手はもちろんのこと、監督、コーチ、球団上層部を含め、開幕したら「ワールドシリーズ優勝」という究極の目標に集中したい、という思いで共通している。言い換えれば、「優勝」は他に気を取られながら果たせるような簡単なことではない。だからこそ、開幕前に済ませられる「所用」は済ませてしまいたい。その代表格が、フリーエージェントに近づいている現所属選手との契約延長だ。

 今季もまた、開幕直前に大型契約が発表された。タイガースは主砲ミゲル・カブレラと8年2億4800万ドル、そしてエンゼルスは22歳の若きヒーロー、マイク・トラウトと6年1億4450万ドルという長期契約を結んだ。キャンプイン前には、ドジャースが7年2億1500万ドルの大型契約を発表し、クレイトン・カーショーを他球団には絶対に譲らない覚悟を示した。

 莫大なテレビ放映権料のおかげで、メジャーリーガーはかつてない好景気の恩恵を受けている。USA Today紙によれば、今季メジャー最高年俸を稼ぐのは、ドジャース先発右腕のザック・グリンキー。昨季から始まった6年契約の2年目で、今季は2800万ドルを手に入れる。2位は同額2500万ドルで、フィリーズの同僚ライアン・ハワードとクリフ・リーだ。以下、20位のジャスティン・バーランダー(タイガース)まで2000万ドル超えが続く。

 10年前はどうだっただろう。2004年に最高年俸を稼いだのは、当時レッドソックスに所属したマニー・ラミレス(2250万ドル)だった。そして、2位がアレックス・ロドリゲス(ヤンキース)の2200万ドルで、2000万ドル以上はこの2人だけ。さらにさかのぼって20年前の1994年を見てみると、最高年俸はメッツのボビー・ボニーヤの630万ドル。この20年間、いや10年間でどれだけメジャーリーグという“産業”が巨大なものに膨れあがったかが分かるだろう。

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