宿敵の本拠地で立ちはだかる数々の壁 田中将大はレッドソックスを倒して真のヤンキーになれるか

憎い選手を迎えたときの強烈な反応

 憎い選手を迎えたときのレッドソックスファンの反応は強烈だ。昨年8月、薬物違反で出場停止を受けながら、メジャーリーグ機構(MLB)に異議申し立てを行って試合に出続けていたアレックス・ロドリゲスが来たときは、地響きのようなブーイングがやまなかった。打席に立てば「You use Steroid!(お前はステロイドを使っている)」の大合唱が巻き起こり、罵声が飛んだ。

 ライアン・デンプスターが2球続けて体付近へボールを投げ込み、3球目をAロッドの脇腹にぶつけたときには、球場中が大拍手。デンプスターが退場にならないことに激怒したジョー・ジラルディ監督がベンチを飛び出し、審判に猛抗議して退場になると、再び大ブーイングに包まれた。

 当時、Aロッドはどこの球場に行っても憎悪の対象となっていたが、このデンプスターの行為と反応には、さすがに批判の声が多かった。ただ、それだけヤンキースの選手を嫌っていることは確かだ。

 もちろん、田中とAロッドでは立場が全く違う。Aロッドには同情できないほどの大きな非があった。ただ、他チームから大型契約で入団してきた選手に対しては、例外なく容赦ないブーイングが浴びせられる。

 田中の獲得にはレッドソックスも乗り出していただけに、ヤンキースが金にものを言わせて獲得したという思いも強いだろう。マウンドに上がった瞬間から、田中は今までに味わったことのない完全アウェーの雰囲気の中に身を置くことになる。心臓の強さについては折り紙付きの右腕だが、いかに平常心を保てるかが1つのポイントとなることは間違いない。

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