宿敵の本拠地で立ちはだかる数々の壁 田中将大はレッドソックスを倒して真のヤンキーになれるか

レッドソックス戦で結果を出してこそ、真のヤンキー

 また、その特徴的な形状も、田中にとっては大きな敵となる。フェンウェイ・パークは、ヤンキースタジアムを上回る「ヒッターズパーク」として知られる。左翼は310フィート(約94・5メートル)と極端に狭く、名物のグリーンモンスターがそびえ立つ。

 その高さは37フィート(約11・3メートル)で、レッドソックスの選手の中には、この形状を意識してバッティングする選手が多い。左打者の平凡なフライが、グリーンモンスターに当たってヒットとなることが多々ある。

 一方で、右中間は広いものの、右翼のスタンドはせり出しており、フェンスも低い。そのため、右方向への打球は低いライナーでもスタンドインしやすい。当然、投手もこういった要素を計算したピッチングが必要となる。

 ここまでの3試合は2勝無敗、防御率2・05と最高の滑り出しとなった。結果だけでなく、投球内容も絶賛を浴びている。ただ、レッドソックス戦で結果を残せなければ、ヤンキースファンも納得しない。

 松井秀喜がヤンキースファンから未だに愛されているのも、ワールドシリーズMVPという実績や、特にポストシーズンで発揮した勝負強さだけでなく、フェンウェイ・パークで2割9分8厘の高打率を残すなど、宿敵相手に活躍したことも大きな理由となっている。相手はエース左腕のジョン・レスターが先発してくるだけに、真価が問われる一戦。勝てば、真のヤンキーへの大きな一歩を踏み出すことになる。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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