ダルビッシュ有とともに先発ローテの柱を担う新星 絶好調の左腕がレンジャーズを救う

周囲の大爆笑を誘ったダルビッシュとのエピソード

 クラブハウスではロッカーが隣同士のダルビッシュとも仲がいい。試合前の打撃練習で球拾いをする時は、一緒に笑い声を上げる姿がよく見られる。

 ダルビッシュが鳴り物入りでメジャー移籍した2012年のスプリングトレーニングで、こんなことがあったそうだ。

 オープン戦で投げ終えて帰ってきたダルビッシュに「今日はどうだった?」とペレスが声を掛けた。「いまいちだった」と答えたダルビッシュに対し、まだメジャーデビューすら果たしていない21歳のペレスが「大丈夫。自分もそういう日はあるから。次回頑張ろう」と慰めながら肩を叩いたという。

 ダルビッシュも含め、この光景を見ていた周囲は大爆笑。笑われている原因が分からず狐につままれたような顔をしているペレスは、後から「ダルビッシュは21歳の時に、日本のサイ・ヤング賞にあたる澤村賞を取った」と聞き、本当にバツの悪そうな表情を浮かべ、またまた大爆笑を誘ったという。

 さて、2試合連続完封を成し遂げた後、ペレスは人懐こい笑顔を浮かべてこう言った。

「もちろん、2試合完封なんて最高だ。でも、もっと喜ぶのはワールドシリーズ優勝まで取っておくよ」

 右のダルビッシュ、左のペレスが先発ローテの軸となり、レンジャーズをワールドシリーズへ導く。近い将来、早ければ今季、そんなシナリオが実現するかもしれない。

【了】

佐藤直子●文 text by Naoko Sato

群馬県出身。横浜国立大学教育学部卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2004年にフリーとなり渡米。以来、メジャーリーグを中心に取材活動を続ける。2006年から日刊スポーツ通信員。その他、趣味がこうじてプロレス関連の翻訳にも携わる。翻訳書に「リック・フレアー自伝 トゥー・ビー・ザ・マン」、「ストーンコールド・トゥルース」(ともにエンターブレイン)などがある。

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