【山本一郎コラム】秋の気配を感じさせているヤクルトスワローズ

ブルペンエースになったカーペンターさん

 しかし、畠山が頑張っているにも拘らず、いや、頑張っているからこそなのか、畠山が九回二死からまさかの逆転3ランホームランを放ったその裏に山本哲が炎上してサヨナラ負けをしてみたり、満塁からファンがゲッツー覚悟で迎えた畠山がまさかの同点タイムリーを打った裏にカーペンターが炎上して勝ち越しを許すなど、本人的には大活躍なのにチームとしてはもっともダメージが残留する酷い負け方をしているのが印象的です。

 やはりここは、ブチ切れ貴公子バーネットが故障で戸田送りになったあとでブルペンエースになったカーペンターさんについて語らなければなりません。彼はやはりかの増渕を髣髴とさせる荒れるストレートが魅力の中継ぎ投手なんですけれども、溢れるほどに塁上を賑わせるよんたまの連続は凄まじい。誰ですかねえ、そんな彼を抑えで使おうと進言したのは。WHIPも5月1日現在で1.77とどうしようもない感じで、これって巻き返しに期待するほどの投手なのかまだファンにも分からないというのが実情ではないでしょうか。

 それでもそんなカーペンターさんがマウンドに送り込まれるのには理由がありまして、他のヤクルトの中継ぎが大変なことになっておるからです。もうデータが見たくないぐらい。ちらっと見ただけでも石山が10.80、久古8.53、真田8.22、押本12.60という防御率。防御ってなんだよって感じのブルペンの中で、爆裂カーペンターさんは6.92。クソのようなWHIPでもいまのヤクルト投手陣の中でも「まあ、マシなほう」になってしまうこの乳酸菌マジック。

 それもこれも投手陣の柱であるはずのライアン小川や館山さんが故障につき戦列を離れていることと、例年けなげに頑張ってきた押本、松岡という定番リリーフがどっちも潰れて、日高、石山もあんな感じで、計算の立つ中継ぎが山本哲一枚しかいないんだから勝てるわけねえだろ!!

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