粘投のダルビッシュが今季2勝目も、「500発男」プホルスへの危険球が地元紙で物議 「ビーンボール戦争か、内角のボールが逸れただけなのか」

プホルスはダルビッシュの悪意を否定したが…

 メジャーを代表するスラッガーはダルビッシュの悪意を否定し、単なるすっぽ抜けだと理解している。だが、同紙は前段を説明している。5回表にエンゼルスのマイケル・コーン投手が秋信守にカウント2-2からデッドボールを与えていた。さらに6回表の先頭打者となったアレックス・リオスに対しても、コーン投手が内角に厳しいボールを放り込み、リオスが大きく避ける一幕もあった。リオスがフライで凡退する際にはコーンに対して、声を荒げたという。

「(リオスが)何を言っているのか分からない。聞こえなかったからね」とコーンは語っているというが、この一触即発のシーンについて、エンゼルスのマイク・ソーシア監督も同紙の取材に「コーンは内角をアグレッシブに攻めようとしただけだし、ダルビッシュも同じだと思う。これが野球の一部。誰も打者にぶつけようと思っていない。内角を攻めただけ」と悪意があった投球でないという見解を示している。

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「ヘルメットへの死球は不運」と語ったダルビッシュ【写真:Getty Images】

 MLBの公式ホームページの特集記事によると、ダルビッシュはプホルスへの死球について、通訳を介して、2ストライク後の失投をもったいないと悔やみながら、ヘルメットへの死球は不運と語っているという。一方、リオスは「プホルスにわざとぶつけたなんて思わない。だから、彼(コーン)がわざと自分めがけて投げるのは正しい考えではない」と語っており、両軍は少なからず遺恨を残した格好だ。

 一方、ダルビッシュは初回にエリック・アイバーとプホルスにソロホームランを浴びたが、3回以降は粘りの投球で勝利をつかんだ。116球を投げてストライクは71球。9奪三振は昨年の奪三振王の面目躍如のピッチングだった。

 これで今季2勝1敗、防御率2・87。フォックススポーツ電子版は「ダルビッシュが輝き、レンジャーズがエンゼルスを撃破」と大見出しで称えている。MLBホームページでもレンジャーズのロン・ワシントン監督が「今日はダルビッシュが素晴らしい仕事をしてくれた」と感謝している。強敵相手に荒れ模様の一戦を制したダルビッシュは今後、勝ち星を増やしていけるか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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