「プロが選ぶプロ」 プロ野球オールスターの選手間投票とは?

ファン投票1位と重なっている選手は?

☆ファン投票1位とセ5人、パ6人が同一 

 今年はファン投票でも選手間投票でもトップだったのは、セ・リーグでは、捕手の阿部、二塁の菊池、遊撃の鳥谷、外野手のエルドレッド、バレンティン。パ・リーグでは捕手の嶋、三塁の松田、遊撃の今宮、外野手の糸井、陽、指名打者のペーニャ。選手間投票のない中継ぎ投手を除けば、この11人は、人気も実力もトップという証明にもなる。

☆意外にも初出場 
 
 楽天の藤田が、選手間投票でパの二塁手部門で選ばれた。昨年の日本一に大きく貢献し、エースだった田中将大にも、藤田の守備がなければ24勝無敗の記録はなかったと言わしめたほどの守備の名手。プロ10年目にして初めてのオールスター出場が、選手間投票での選出となった。高い守備能力が認められた。

☆現時点でのベストナインか?それとも……

 シーズン終了後に選ばれるベストナイン表彰。昨年、セ・リーグの選手間投票で選ばれた9人のうち、7人がそのままベストナインを受賞した。(投手・前田【C】、捕手・阿部【G】、一塁・ブランコ【De】、二塁・西岡【T】、外野手・バレンティン【S】、マートン【T】、長野【G】)

 三塁手は中日・ルナ、遊撃は巨人・坂本が選手間投票で選ばれたが、ルナは途中帰国、坂本も終盤のけがなどが影響したとみられ、巨人・村田、阪神・鳥谷がそれぞれ受賞した。

 一方でパ・リーグは選手間投票で選ばれた10人中、ベストナインは楽天バッテリーの田中と嶋、外野手の日本ハムの中田翔の3人だけ。後半戦のチームの成績や個人記録が急激に上がり、印象度も変わった選手も多かったことが影響している。今年もオールスターを機に、どのように推移していくか注目したい。

 かつて2006年のオールスターでは阪神の藤川球児(現カブス)が西武・カブレラ、日本ハム・小笠原らへ予告全球ストレートで連続三振に仕留めたりと、力のある選手たちの名勝負が繰り広げられてきた。うなりをあげるストレートとフルスイングに目が離せなかった。これからも、“お遊び”ではなく、祭典でしか見られない高いレベルのぶつかり合いでファンを魅了し、オールスターゲームの存在価値を高めてもらいたい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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