今年は22年前にイチローが衝撃を残した日と同じ7月17日の開催 フレッシュオールスターゲームで誰が飛躍のきっかけをつかむのか

ジュニア・オールスターで決勝本塁打を放ったイチロー

 今月4日、日本プロ野球機構がフレッシュオールスターゲーム(17日、長崎県営野球場)に出場する42選手を発表した。これまでも多くの選手がこの祭典を飛躍のきっかけにしてきた。今回選ばれた楽天のドラフト1位ルーキーの松井裕樹投手は「同世代の選手たちもいるので楽しんで野球をしたい」と喜びを語った。大阪桐蔭から入団した西武のドラフト1位の森友哉捕手らも選出されるなど、甲子園を沸かせたプレーヤーが出るのもひとつの楽しみである。

 ここでMVPを獲得すると1軍で活躍できる――。そんなジンクスをプロ野球ファンならば聞いたことがあるだろう。

 最近では2009年の中田翔(日本ハム)くらいだが、過去に遡れば2004年の青木宣親(ヤクルト・現ロイヤルズ)、2003年の今江敏晃(ロッテ)、2002年の藤本敦士(阪神)、2001年の里崎智也(ロッテ)と1軍で優勝に貢献したり、タイトルを獲得した選手が並ぶ。

 そして、このジンクスの最も象徴的な例は1992年のイチロー(オリックス・現ヤンキース)のMVPではないだろうか。

「7番・中村(紀洋)に代わりまして、バッター・鈴木」

 そうアナウンスされた高卒ルーキーの名を、球場に足を運んだほとんどのファンは知らなかった。1992年7月17日、東京ドーム。ジュニア・オールスターゲーム(現在のフレッシュ・オールスター)が佳境を迎えた3-3の同点の8回のことだった。

 当時、18歳の鈴木一朗外野手はこの試合でスタメン出場すらしていない選手だった。全ウエスタンを率いた三村敏之・広島2軍監督は「いい場面で使おうと考えていた」と明かす。のちに「イチロー」として球界のスーパースターになる男の舞台を、密かに頭の中で用意していたのである。

 1点が入れば、試合は決まる。相手のマウンドには大洋(現横浜DeNA)の有働克也が上がっていた。イチローは2球目のスライダーを、体全身を使いコマのように回転して振り抜いた。

 打球は東京ドームのライトスタンドの上段へ突き刺さる決勝ホームランとなった。あどけない笑顔でベンチに戻ると球界の先輩たちに頭をボカスカとたたかれ、手荒い祝福を受けたのだった。

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