黒田博樹もトレード候補と地元紙 「優勝候補球団の先発4番手としては魅力的」 トレード先の候補にはドジャース、エンゼルスの名も

黒田が移籍市場で魅力を保っている理由

 記事では、現在の主力のトレードの可能性を探っている。マーク・テシェイラ一塁手は手首の故障歴と2015年シーズン終了時まで4500万ドルの高額年俸に加え、トレード拒否権があるために動かせないと指摘。今季FAで獲得したカルロス・ベルトラン外野手はテシェイラ以上の“壊れ物”だと酷評している。また、今オフ4年5200万ドルで契約延長したブレッド・ガードナー外野手は珍しく契約延長の価値のある存在とし、残留の必要性を主張する。

 一方で、今季故障と無縁で奮闘するブライアン・ロバート二塁手は故障者の出たレッズ、抑えのマット・ソーントン投手は左利きのブルペン要員を必要とするブレーブスかエンゼルスとのトレードの可能性を指摘。だが、「彼ら(ロバートとソーントン)とイチロー スズキ、ケリー・ジョンソンを動かしても、見返りは少ない」と魅力的な選手とのトレードは難しいとも予想している。

 ここで、苦しいトレード事情のヤンキースにおいてトレード価値の高い選手5人として、守護神のデビッド・ロバートソン投手、オールスターに出場するデリン・ベタンセス投手、ジャコビー・エルズベリー外野手とブライアン・マッキャン捕手、さらに黒田の名前を挙げている。

 シャーマン氏は「彼(黒田)は完全なトレード拒否権を持っており、以前にもトレード願望を見せたことはない。だが、南カリフォルニアなら彼も唯一(移籍先に)考えるだろう。彼はまだ自宅を持っている。サンフランシスコもあるかもしれない。ドジャースとエンゼルスは先発ローテーションに厚みを持たせたいと切望している」と指摘。かつてドジャースで活躍した黒田がロサンゼルスにいまだ拠点を持っていること、そして、プレーオフ進出争いを展開する古巣ドジャースとエンゼルスが先発投手の強化を模索していることから、黒田のトレード先に適しているとしている。

 さらに記事では「彼は先細りしているが、堅実性、闘争心、衰えない技術は優勝候補の球団の先発4番手としては魅力的だ。(黒田のようなベテランのトレードが)過去には7月に中の上クラスのプロスペクト(有望選手)に加え、そこまで重要ではない戦力をもたらしたこともある」と若手の有望株とのトレードの可能性を伝えている。

 前半戦を6勝6敗、防御率4・10で折り返すことになった黒田だが、ここ先発10試合中6試合でクオリティ・スタート(6回以上を投げ、自責点3以下)を達成するなど、結果を残している。それでも、記事ではヤンキースと1年契約の39歳のベテランは来季残留しない見通しを報じている。先発ローテーションで唯一踏ん張り続ける、実績抜群の黒田にすらトレードの可能性が浮上するヤンキース。田中離脱の余波はどこまで大きいのだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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