ダルビッシュにとっても試練!? レンジャーズがタイガースとのトレードで守護神ソリアを放出

メジャー最低勝率に低迷するレンジャーズが2人の若手有望株を獲得

 今季メジャー最低勝率に低迷するレンジャーズが守護神ホアキン・ソリア投手をタイガースに放出し、代わりに昨年ドラフト1巡目全体39位で指名された抑え右腕、コーリー・クネーベル投手と若手の有望なプロスペクト、ジェイク・トンプソン投手を獲得したことが分かった。ESPNが「レンジャーズがタイガースにホアキン・ソリアを放出」という見出しで特集している。

 今季のプレーオフ進出は現実的には厳しい状況となっているレンジャーズだけに、チームで唯一頼りとなる守護神の放出は来季以降を見据えたトレードとも取れる。故障者続出の投手陣はさらに弱体化する可能性が高く、ダルビッシュ有投手の白星にも影響が出そうだ。

 今季開幕前に優勝候補の一角と目されていたレンジャーズは故障者の続出で40勝61敗。勝率は.396とメジャーで唯一4割を切っている。その不振の球団においてソリアは1勝3敗17セーブ、防御率2・70。中継ぎのアレクシー・オガンド投手が右肘痛で故障者リストに入るなど、弱体化していたブルペンを支えてきた。

 一方、ア・リーグ中地区首位を走るタイガースはエンゼルスなどと共にブルペンを補強ポイントとし、今月末のトレード期限でソリアやレッドソックスの上原浩治投手らクローザーの補強を画策していたとされる。現地ではすでにレッドソックスは上原を残留させ、来季以降も契約を延長する意向だとも一部で報じられていたが、レンジャーズはソリアの放出により、長期的な視野に立って補強を行った格好だ。

 レンジャーズのジョン・ダニエルズGMは「コーリー・クネーベルは大型の右腕で、抑えに相応しい球速とマウンド度胸を持っている。力強い速球とカーブで(大学時代に)大きな成功を収めている」と期待の若手について語っている。

 22歳のクネーベルは今季タイガースで8試合に登板。8回2/3分を投げ、7失点(自責6)しており、即戦力とは言い難いが、将来性がある。20歳のトンプソンも今季タイガース傘下の2Aなどで18試合に先発し、7勝4敗、防御率3・06の成績を収めているが、メジャーで活躍するには時間が必要だ。

 23日(日本時間24日)のヤンキース戦で豪雨による不運なコールド負けを喫したダルビッシュにとっても、安定感のあるクローザーがチームから去ることによって今季の残りの戦いで勝ち星を失うリスクが高まることになる。昨年サイ・ヤング賞候補の2位に入ったエースから、メジャー投手にとって最高の栄冠が遠のくかもしれない。レンジャーズにとっても、ダルビッシュにとっても厳しい試練のシーズンとなりそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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