「苦しい投球だった」 黒田博樹が粘投でつかんだ7勝目は「大きな勝ち」

メジャー200試合目の先発登板を白星で飾る

 ヤンキースの黒田博樹投手が4失点と苦しみながら今季7勝目(6敗)を挙げた。メジャー7年目での節目の先発となった25日(日本時間26日)のブルージェイズ戦。野茂英雄氏以来、日本人2人目の200先発登板に到達した試合で初回、いきなり相手主砲の4番バティスタに3ランを浴び、3回には再びバティスタにソロ本塁打を許した。しかしこの日は味方打線が援護。3回にイチローの逆転3ランが飛び出すなど、6-4と逆転に成功し、黒田は6回途中まで何とかリードを守った。その後、リリーフ陣も踏ん張り、チームは4連勝を飾った。

「見ての通り、苦しい投球だった。自分の思ったような球が少なかったが、何とか打線の援護に助けられた。なかなか平常心でマウンドに立てなかった」

 そう振り返ったベテラン右腕。初回にバティスタに3ランを打たれたシーンには、「あそこは一発は防がないといけない。3ボールから振ってくるのは分かっていたけども、不用意な一球だった」と反省した。

 それでも、黒田にとっては貴重な白星だ。これまで好投が報われなかった試合も数多くあったが、“不運な男”は節目の試合を勝利で飾ることができた。「次の登板に向けて切り替えることができる。気持ち的にもこういう展開で勝てたのは大きい」と黒田は言う。

 開幕当初の先発ローテーションの中で今でも投げ続けているのは黒田ただ一人。田中将大やCC・サバシア、イバン・ノバ、マイケル・ピネダらが故障者リスト入りしている状況で、39歳右腕にかかる期待は大きい。この日の内容に、ジラルディ監督は「いつもの制球力ではなかったが、粘り抜いた」とし、「逆転勝利を収めたことは大きい」と4連勝を喜んだ。

 ヤンキースはア・リーグ東地区で首位を走るオリオールズと3ゲーム差の2位。「良い投球をしても勝ちがつかないことがある。こういうときに、勝ちを拾っていかないと自分も乗っていけない。これで負けてしまうとメンタルを保つのも難しいので、大きな勝ちだと思う」と黒田。名門の2年ぶりのプレーオフ進出はその右腕にかかっていると言っても過言ではない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY