イチローに再び試練!? ヤンキースが外野手の補強に本腰

後半戦で打率1割3厘と低迷するイチロー

 ただ、リオスとバードを獲得する可能性も排除はできない。リオスの今季年俸は1250万ドル(約12億7500万円)で、来季の契約は球団オプションとなっている。球団側が延長を望めば、年俸とバイアウト(買い取り)の権利を含めて1450万ドル(約14億8000万円)で来季も残留させられる。一方、バードは今季年俸800万ドル(約8億1600万円)で、来季も同じ金額での契約を残す。ウィリンハムとほぼ同じ額だが、ヤンキースにふさわしい選手であるかについては懸念があるという。

 一方で、ヘイマン氏はイチローについて厳しい見方をしている。「イチローは毎日、プレーするはずではなかった」と指摘。6月下旬にアストロズの機密情報がハッキングされた事件で、ヤンキースが開幕前にイチローのトレードを持ちかけていたことが明らかになったことにも言及している。記事では「イチローは初めからキャッシュマンGMではなく、オーナーシップのチョイスだった」とも触れている。2012年7月に移籍してきたイチローと、同年オフに名門球団が2年契約を結び直した理由には、オーナーサイドの強い希望もあったとされている。

 イチローは外野手5番手という立場で開幕を迎えながら、7月に入って完全に定位置を奪取。しかし、レギュラー定着後は調子を落としている。25日(日本時間26日)のブルージェイズ戦で今季1号となる劇的な逆転3ランを放ったものの、後半戦は29打数3安打の打率1割3厘と低迷。27日(同28日)のブルージェイズ戦は相手の先発が左腕のJ・A・ハップのためスタメンから外れ、1点を追う9回2死に代打で登場して左飛に倒れた。肘の負傷で現在はDHに専念しているカルロス・ベルトランも決して調子がいいとは言えないため、ヤンキースは補強を必要不可欠と見ているようだ。

 ウィリンハムが加われば、イチローの状況は間違いなく危うくなる。開幕当初のように、出場機会が減ることは避けられないだろう。自らのバットで何度も苦境を脱してきた男は、またしても正念場を迎えることになるかもしれない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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