衝撃的な大型トレードが続々と成立 最大の“勝ち組”はどの球団?

ア・リーグを中心に動いた今年のトレード

 このほかにも、31日には激しい動きがあった。ブレーブス(ナ・リーグ東地区2位)はカブスから中継ぎ左腕のジェームズ・ラッセル、内野のユーティリティーのエミリオ・ボニファシオを獲得。連覇へ向けてツボを抑えた補強を行った。

 一方、ナショナルズ(ナ・リーグ東地区1位)はインディアンスから名手のアズドルバル・カブレラを加えた。遊撃の守備はハイレベルで、打撃もツボにはまれば期待できる選手。マーリンズを含めた3チームのナ・リーグ東地区優勝争いは激しくなりそうだ。

 ただ、やはり今年のトレードはア・リーグを中心に動いたと言えるだろう。最大の勝者はアスレチックス。補強したレスター、サマージャ、ハメル、そしてエースのスコット・カズミアーに売り出し中のソニー・グレイと先発陣は強力そのもの。ムードメーカーのゴームズが2012年以来の復帰を果たしたことも、チームには大きいと言えそうだ。ただ、地区優勝のライバルであるエンゼルスも懸案だったクローザーにパドレスからヒューストン・ストリートを獲得し、戦力を整えている。ハイレベルな両チームの争いは、シーズン終盤まで続きそうだ。

 タイガースも盤石の態勢を整え、アスレチックスに負けじとリーグ制覇を狙う。ロイヤルズ、インディアンスも踏ん張っているが、中地区で独走となってもおかしくない戦力がそろった。

 一方、ア・リーグ東地区の戦いも気になるところだ。首位のオリオールズはレッドソックスから中継ぎ左腕のアンドリュー・ミラーを獲得し、逃げ切りをはかる。ヤンキースも逆転優勝に向けて決して派手とは言えない補強ながら、戦力を上積みした。

 レイズはエースのプライスを放出したが、まだ優勝の可能性は残っている。主力の代わりに獲得した若手を使ってチーム力を上げるのはジョー・マドン監督、アンドリュー・フリードマンGMの得意技で、逆に不気味な存在ではある。ブルージェイズも含めた争いに注目が集まる。

 また、西地区ではマリナーズが奮闘しており、ワイルドカードでのプレーオフ進出へ向けて補強にも積極的に動いた。各地区の優勝争いから漏れたチームとし烈な争いを繰り広げることになりそうだ。

 例年以上の激しいトレード劇が連続したメジャーリーグ。後半戦もますます目が離せなくなってきた。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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