自身過去最低の与四球率2.68にリーグワーストの10敗 涌井秀章に復活の可能性はあるのか

「ボール自体は悪くない」飯田哲也氏から見た涌井の問題点は?

 千葉ロッテ・涌井秀章が苦しんでいる。国内FA移籍制度で、今年西武ライオンズから千葉ロッテへ移籍した涌井は、伊東監督のもと先発投手としてマウンドに登っているが、18試合に登板し4勝10敗と大きく負けが先行し、防御率は4・65と不振を極めている。

 涌井は西武時代の後半から肘の故障に悩まされ、中継ぎや抑えに転向を余儀なくされるなど、苦しい時期が続いているのは間違いないが、心機一転、千葉へ活躍の場所を移してもその流れは変わっていない。

 9日に本拠地QVCマリンフィールドで行われた古巣・西武戦に先発した涌井は、序盤こそランナーを出しながらも無失点で切り抜けたが、4回無死1、2塁でメヒアに投じたスライダーが抜け、レフトスタンドに運ばれてしまった。その後1点を失った涌井は、5回6安打4失点2四死球の内容でノックアウトされた。

 この試合を取材した、スポーツコメンテーターの飯田哲也氏は、涌井のピッチングをこう語る。

「今年、何度も涌井のピッチングを見ていますが、気になるのはボール先行の投球が多くなっている部分です。負けが込んでいるからなのか、ここ数年の不振が理由なのかは分かりませんが、コースを狙いすぎてしまい自分でカウントを悪くしてしまう。結果、無駄なフォアボールを与えて塁を埋め、ストライクを取りに行ったところを狙われてビッグイニングを作られてしまう」

 確かに今年の涌井は与四球が多い。9日の時点で112回1/3を投げて43四球。与四球率は2.68と過去最低の数字だ。涌井の与四球率はキャリア通算で2.05、調子を崩した2010年以降でも、2012年の2.44が最も悪い数字だった。涌井は元来、制球力を生かした、シュートとスライダーを内外角に投げ分けることが生命線のピッチャーだ。

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