田中将大のリハビリがペースアップ!? 今季中の復帰に向けて17日に“最大のテスト”に挑む

ブルペンでの投球練習開始が3日も早まった背景にあるもの

 一方、ヤンキースは15日(同16日)のレイズ戦で0-5で敗れ、7月2日以来の5連敗。2年連続でプレーオフ進出を逃す危険性に直面している。

 当初、ヤンキースのロスチャイルド投手コーチは、田中のブルペンでの投球練習は19日以降になることを示唆していた。それが3日も前倒しとなった背景には、田中の順調な回復に加えて、プレーオフ進出が厳しくなってきている現状も影響しているのかもしれない。ヤンキースにとって、前半戦だけで12勝を挙げている田中は奇跡の逆転プレーオフ進出に向けて切り札的な存在であることは間違いない。

「今のところ、すべてが前向きだ。彼は、状態はいいと言っているけど、実際はどうか分からない。試合での状況を見る必要がある。負荷が上がった状態でどうなるか。ブルペンや打撃練習では(負荷を)コントロールできるが、一旦、実戦に入ってしまえば、少し難しくなる」

 ジラルディ監督は慎重な口ぶりだったが、チーム状態は深刻だ。「パッチワーク」「バンドエイド」と揶揄された先月のトレードでの補強では、一時的に勝ち星を積み重ねたものの、好調を持続することはできなかった。今月8日のインディアンス戦で10得点を記録して以降、打線も最大3点しか奪えず、湿りっぱなし。この日もレイズ相手にゼロで抑えられた。ここ最近の朗報と言えば、松やにを使用した不正投球で出場停止になった後、広背筋の肉離れで長期離脱していたマイケル・ピネダ投手が復帰したことくらいだろう。

 責任感の強い田中が、崩壊寸前の名門を救うために肘の不調を隠す可能性はあるのだろうか。ニューヨーク・ポスト紙によると、ジラルディ監督は「痛みが出たときに我々にそれを伝えたのだから、彼は十分にスマートだ。彼はメディカルとコミュニケーションを取っているし、状況を伝えることができると思っている。そんなに隠し事をする人間はいない」と語っている。

 同紙も「土曜日(日本時間17日)は大きなテストだ」と指摘しているように、ブルペンでの投球練習で異変を感じた場合は、トミー・ジョン手術に急激に舵を切る可能性もある。田中にとっての久々のマウンドがエースとヤンキースの今季の運命を大きく左右することになりそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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