“チーム最高打率”でも守備固めでの起用 イチローに今後出番は回ってくるか

「イチローが右中間で食い止め、ロバートソンは生き残った」

 ヤンキース打線は今季プレーオフ進出の可能性がなぜ残されているのかが不思議なくらい低調な成績で、今季総得点はア・リーグで15チーム中14位の481点、出塁率は.311で13位、打率は.249で11位。本来内野手だが、守備面での万能性を買われてイチローよりもライトでの序列が高くなっているプラドはヤンキース加入後、50打数10安打で打率は2割ちょうど。本塁打は2本放っているが、打点は4とそこまでの勝負強さはない。

 右肘の痛みが癒え、DHからライトにシフトしたベルトランは3試合連続無安打。14本のホームランを放っているものの、打率は.235とバットは湿り切っている。

 不振の同僚を横目に見ながらも、ベンチを温め続けているイチローだが、守備固めとなっても高いプロ意識を披露している。

 この日のレイズ戦9回に披露した好捕について、ESPNは称賛。守護神のデビッド・ロバートソン投手が21試合連続セーブを記録したことに触れつつ、「(レイズの5番打者ロニーに)右翼にロケットを打ち上げられたが、現在守備固めと役割の減少したイチロー スズキが右中間で食い止め、ロバートソンは生き残った」と報じている。イチロー自身も「軌道が変わった」と処理の難しい打球だったことを認めている。

 今季開幕当初、外野手の5番手と位置付けられたイチローだが、走攻守に高いレベルのプレーを披露し、前半戦途中から定位置を確保した。後半戦で再び出番が減少しているが、走塁守備のみならず、打率も今やチームトップになった。日本の誇る安打製造機のバットが、逆転でのプレーオフ進出を狙うヤンキースの反撃の切り札となることを期待したい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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