ようやくスポットライトが当たり始めた日ハム・市川友也 今度はプロ初本塁打で勝利に貢献

プロ5年目の苦労人は「何かやるたびに初がついてくる」

 これほど心から野球を楽しんでいるプロ野球選手も珍しい。日本ハムの捕手・市川友也だ。2014年シーズン、数々の初体験を記録している。5月1日の西武戦では初安打&初タイムリー。6月3日の広島戦では初長打と初の猛打賞(4安打2打点)をマークした。

 プロ5年目の29歳。この世界においては決して若くない。

「5年目なんですけどね。ボクの場合は何かやるたびに初がついてきますからね」

 いつも、そう言って照れ笑いする。

 東海大相模高を経て東海大。卒業後は社会人野球の強豪・鷺宮製作所に進んだ。言わば、野球界ではエリートの道を歩んできた。そして2009年、ドラフト4位で巨人に入団。そこで大きな壁にぶち当たった。

 巨人の正捕手は阿部慎之助。押しも押されもせぬ、不動のレギュラーだ。そして長きにわたり、球界をけん引してきた伝統球団。各ポジションの層は他球団に比べても相当厚い。ましてや1つしかない捕手という位置。なかなか出番が回って来ることがなかった。巨人時代の市川は1軍でわずか9試合にしか出場していない。

 絶対的レギュラーが君臨し、陽の目を見ることがなかった選手は多い。だが、2番手、3番手に甘んじていながらも、その存在はチームにとって心強い。いや、そこにいてもらわなくては困る。レギュラーが突然、離脱してもカバーできる存在はチームにとっては必要不可欠。それには同等の実力が伴っていなければいけない。

 過去にもそんな選手は多かった。野村克也氏の下で英才教育され、「ID野球の申し子」と言われた古田敦也氏。その陰に隠れていたのが野口寿浩氏だった。移籍先の日本ハムや阪神ではその力を発揮。一気にブレークした。そしてそれは捕手に限らない。近年で言えば、二岡智宏氏が移籍した後に遊撃手の座を射止めた巨人の坂本勇人もそんな1人だろう。

 いつ訪れるか分からない出番を待ち、万全の準備をする。まさに陰の功労者。市川も「常に『自分だったら、こうしよう』って客観的に試合を見てきた。それが今に生きているのかも」。決して腐ることはなかった。それが今季、陽の目を見たというわけだ。

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