イチローの来季の去就について球団公式サイトが特集 メジャー通算3000安打到達のためにはナ・リーグ移籍も!?

イチローの間近でプレーする選手が感じるレジェンドの凄み

 こういった印象的な活躍もあるが、記事では「2014年のイチローはほとんどの間、脇役的な存在だった」とも記されている。確かに昨季よりも打席数は半減した。ただ、打率は2割8分5厘で、出塁率は2010年以来最高となる3割2分7厘。左投手相手の3割5分8厘という数字は素晴らしいものだ。

「イチローの成績上昇は幸運の産物でしかないという、シニカルな見方もできる。最後の灯火のような輝きに加え、アルフォンソ・ソリアーノとケリー・ジョンソンという最終的に解雇されたベテランやカルロス・ベルトランの負傷という要素もあった」

 記事の中にはこんな記述もある。だが、その上でジラルディ監督がイチローを貴重な存在であることを認めているコメントも紹介されている。

「試合に出ていない状況でも、彼はとても素晴らしいピンチヒッターだ。我々がベンチにスピードという要素を持っていることにもなる。どんなポジションでも彼を起用することができるのは、我々には非常に大きな助けになっている」

 イチローに対するこういった評価は、今オフにブライアン・キャッシュマンGMが補強リストを作成する上で大きな要素となる。怪我の多い30歳くらいの選手と頑丈な40歳のイチローのどちらと新たに短期契約を結ぶかを、球団は熟慮しているという。

 一方で、間近でプレーしているチームメートは、レジェンドの凄みを肌で感じている。試合前の練習でイチローのキャッチボールのパートナーを務めるブレット・ガードナーもその1人だ。特に、イチローのハイレベルな守備については敬意を抱いており、以下のように話している。

「私は彼のことをパートタイムプレーヤーだとは思っていません。彼は明らかに毎日プレーすることができます。年齢を重ねても、彼の守備は本当に素晴らしい」

 記事では、イチローの守備における評価指数が、マリナーズ時代の全盛期に比べて落ちていることに言及している。さらに、盗塁数や内野安打の数も減少傾向にあり、スピードがやや落ちているという指摘もあるという。ただ、その指摘に釘を刺すかのように、8月17日の敵地でのレイズ戦で守備固めとしてカルロス・ベルトランに代わって出場し、2点リードの9回にジェームズ・ロニーの右中間へのライナーをランニングキャッチした場面を紹介している。今季も印象的なプレーは多い。

 もっとも、来季もヤンキースと契約すれば、出場機会はさらに限定されるかもしれない。となると、打撃成績への影響は大きい。メジャー通算3000安打の達成を遅らせる可能性も高い。現在、2824安打を誇る安打製造機にとっては、ナ・リーグのチームに移籍した方が大台到達が容易になると、記事では指摘されている。

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