ジーターが本拠地最終戦で劇的なサヨナラ打 「正直に言って今日どんなプレーをしたか覚えてない」

黒田は8回2失点の好投も12勝目はならず

 今季限りで引退を表明しているデレク・ジーター内野手が25日(日本時間26日)、本拠地での最終戦となったオリオールズ戦で劇的なサヨナラ打を放った。9回裏1死2塁の場面で、初球をライト前にヒット。2塁走者のリチャードソンが生還し、6-5と勝利を飾った。ヤンキー・スタジアムは熱狂の渦に包まれた。

 この日は黒田博樹投手が先発。重圧のかかるマウンドでベテラン右腕はまさかの立ち上がりを迎えた。先頭のマーカーキス、2番デアザに連続被弾。お祭り騒ぎの会場は一気に騒然となり、スタンドからはブーイングも沸き起こった。

 しかし、2点のビハインドをこの日の主役が跳ね返す。1回裏、無死1塁の場面でジーターが打席に立つと、フェンス直撃のタイムリー2塁打。さらに暴投の間に3塁へ進むと、3番マッキャンの二ゴロの間に生還。試合を振り出しに戻した。

 2回以降、黒田も立ち直る。3回1死からデアザにセンター前ヒットを許すも、続く3番ジョーンズをショートへの併殺に打ち取る。4回からは8回まで三者凡退に仕留め、圧巻の16打者連続アウト。好投する右腕をヤンキース打線も援護。7回に1死満塁の場面でジーターの打球はショートへ。万事休すに見えたが、セカンドへの送球が逸れて2点を勝ち越し。さらに1、3塁でマッキャンの犠牲フライにより1点を追加した。

 黒田は8回を3安打9奪三振無四球2失点と好投。3点のリードを守ってロバートソンに後を託したが、9回1死1塁の場面で3番ジョーンズに2ランを浴び、1点差に。さらに5番ピアースにもソロ本塁打を許して同点とされた。この時点で黒田の12勝目も消えた。

 しかし、その裏にキャプテン・ジーターが試合を決めた。まるでドラマのような試合展開となった。

 試合後、マイクを向けられたジーターは「泣かないように努めた。正直に言って今日どんなプレーをしたか覚えてない」と話した。会場のファンには「これまで楽しい日々だった。本当にありがとう」と感謝の気持ちを伝えた。割れんばかりの歓声に包まれ、ジーターの目は潤んでいた。


ジーターのサヨナラヒット【MLB.com】

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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