マリナーズGMが岩隈久志との契約延長を明言 球団オプションを行使で“格安年俸”での残留へ

今季はメジャー自己最多の15勝9敗、防御率3・52で終えた岩隈

 マリナーズのジャック・ズレンシックGMが、岩隈久志投手の残留を“確約”した。チームが保有する1年契約延長のオプションについて、「悩む必要はない」と断言。新たな長期契約を結ばずに、1年700万ドル(約7億7000万円)という超お値打ち価格で契約を更新することが濃厚になった。地元紙ニュース・トリビューンが報じている。

 岩隈は今季開幕前の自主トレで右手中指を負傷。初先発は5月3日のアストロズ戦と序盤は出遅れたが、圧倒的な制球力を武器にメジャー自己最多の15勝9敗、防御率3・52と安定感のあるピッチングを続けた。今季通算21四球はア・リーグの規定投球回数に達した投手の中でツインズのフィル・ヒューズ投手(16四球)に次ぐ、2番目の少なさだった。

 昨季はサイ・ヤング賞投票で3位に入るなど、「キング」ことフェリックス・ヘルナンデスと“2枚看板”を形成する右腕の今季年俸は650万ドル(約7億1500万円)。球団保有のオプションを行使すれば、来季は50万ドル(約5500万ドル)アップの700万ドルになる。

 今季年俸は、マリナーズ投手陣では、ヘルナンデスの約2300万ドル(約25億5000万円)、セーブ王となった守護神フェルナンド・ロドニーの700万ドルに続く3番目。ただ、キングの3分の1以下という年俸は、岩隈の実績とパフォーマンスから見ると格安と言えるかもしれない。

 ズレンシックGMには、来季終了時点で契約満了を迎える前に新たな条件を提示し、岩隈と長期契約を結び直すという選択肢も存在する。今季並のピッチングを見せれば、FAとなった場合に再来年の年俸は一気に倍増する可能性もあるからだ。長期契約を結び直せば、他球団との価格競争や、エース流出のリスクを避けることもできるが、あくまでオプション行使という道を選ぶことになりそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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