DeNA苦渋の選択 若手選手への大量戦力外がドラフト戦線に与える影響

12選手へ戦力外通告を行った横浜DeNA

 10月1日から、各球団で第1次の戦力外通告が始まった。巨人の中継ぎを支えた越智大祐投手や高木康成投手、横浜DeNAの中村紀洋内野手やヤクルトの岩村明憲内野手といった経験豊富な選手の名前も。しかし、気になったのは10月3日に12選手に戦力外通告をした横浜DeNAの思い切った判断である。

 その中にいた2011年のドラフト1位・北方悠誠投手はまだ20歳。唐津商から入団し、157キロ投手として、将来のクローザー候補だった。戦力外となった選手の中には同年6位で今年は育成だった浦添商業出身の佐村トラヴィス幹久投手(20)、8位で同じく育成契約だった茅ヶ崎西浜高校出身の古村徹投手(20)もいる。

 同9位の伊藤拓郎投手(21)は帝京高校出身で1年生から147キロを投げるなど甲子園を沸かせた剛腕で、けががありながらも飛躍を期待されていた。3年前の高卒新人が4人(いずれも投手)も戦力外になった背景には、TBSが親会社だった最後のドラフトで戦略があいまいだった点や、当時、12球団の中で最も多い9選手も獲っていたこと、またDeNAが今オフの投手の大量補強を見据えていることなどが影響しているとの見方がある。

 余談ではあるが、2011年のドラフトでは、9人指名した横浜に対し、最少はロッテ、広島の4人。ロッテは藤岡貴裕、中後悠平、鈴木大地、益田直也。広島は野村祐輔、菊池涼介、戸田隆矢、土生翔平。その大半が1軍で活躍しており、結果論だが2球団の戦略は当たったと言える。横浜は北方以下、高城俊人、桑原将志という高卒ルーキーが加入。高城、桑原の2人は1軍の戦力となったとはいえ、北方ら4投手を3年目で“切って”しまうのは、ファンの間でも衝撃があっただろう。

 高卒3年目だけでなく、東海大望洋高校から入った5年目の23歳・眞下貴之投手、26歳の冨田康祐投手らまだまだ若い選手も戦力外となった。2007年のドラフト1位の小林太志投手(31)や2008年ドラフト2位で入団した藤江均投手(28)は今季成績を残していないが、かつては1軍の戦力になったドラフト上位選手。

 ソフトバンクから移籍してきた神内靖投手(31)、日本ハムから移籍してきた菊池和正投手(32)、ヤクルト、巨人で活躍し、村田修一のFA補償で加入した藤井秀悟投手(37)、そして中村紀洋内野手(41)といった「移籍組」は仕方がないとはいえ、若い選手やドラフト上位選手の早すぎる戦力外は今後のドラフト戦線に影響を与える可能性もある。

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