専門家から見るCSファーストステージの展望 阪神&オリックスが優位な理由

福留の復調で打線に厚みが出てきた阪神

 明日(11日)から、プロ野球クライマックスシリーズ(CS)のファーストステージが開幕する。セ・リーグはリーグ戦2位の阪神と3位の広島が、パ・リーグは2位のオリックスと3位の日本ハムが、それぞれ甲子園球場と京セラドームで相まみえることになる。

 スポーツコメンテーターの飯田哲也氏に、ファーストステージの戦いを予想してもらった。

「セ・リーグは、広島が最後競り負けてしまい、3位になってしまいました。本拠地で戦えないことも痛いですが、何より痛いのは、前田健太を初戦で使えない可能性が出てきてしまったことです」

 広島はリーグ最終戦となった10月6日の巨人戦で、前田健太が8回118球を投げている。11日のCS初戦に投げる場合は、中4日となる。

「短期決戦、特にCSのファーストステージは3試合しかありませんから、初戦の重要性は極端に高くなります。初戦に前田を使えないとなれば、バリントンも負傷離脱していて投げられるか分かりませんし、広島としては本当に痛いです。前田が行かない場合、ヒースか大瀬良か、ということになると思います。大瀬良は最後の登板で阪神に負けていますし、個人的にはヒースで行って、上手くはまればとは思いますね」

 大瀬良は今季阪神との対戦で3勝3敗、防御率は3.80。相性は良くも悪くもないが、10月1日の登板で負けているのは広島にとって印象は良くない。ヒースは阪神戦に1試合しか登板しておらず、防御率は1.50。飯田氏は、阪神の方に分があると予想する。

「阪神は、福留の復調が大きいですね。中盤戦まで苦しんでいましたが、8月の終わりくらいから一気に取り戻してきました。見た感じの印象ですが、振り回すことが減って、コンパクトにスイングできるようになってきています。逆に上本の調子が落ちているのは気になりますが、鳥谷、ゴメス、マートンの中軸は安定していますし、そこに続く福留の調子が上がってきたことで、打線にかなり厚みが出てきているのは間違いありません」

 福留は8月まで2割台前半の低打率に喘いでいたが、8月を55打数15安打の打率.273とすると、9月は67打数23安打で打率.343、本塁打も4本放っている。出塁率も高く、9月のOPSは.973となった。キャリアハイの打率を残した3番鳥谷、打点王の4番ゴメス、首位打者の5番マートンが並ぶ阪神のクリーンナップは強力だが、その後ろを打つ福留の復調は、間違いなく相手チームへ脅威を与えるだろう。

「また阪神は、メッセンジャー、藤浪、能見、岩田と先発も揃っています。昨年の悔しい思いもあるでしょうし、打線の勢いとチームの総合力を考えても、今季は阪神が有利だと思います」

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