アレックス・ラミレスが引退を発表 日本での14年間で残した偉大な足跡

「今後も様々な形で野球に携わっていきたい」

 困った人がいればすぐに救いの手を差し伸べるのもラミレスの性格。ファンからの写真やサインは断らず、常に笑顔だった。ポーズのリクエストにも応える。東日本大震災の後には被災地へ出向いたことも報じられた。自身が義援金を送るだけでなく、母国のベネズエラにも支援を呼びかけた。「日本は故郷のよう。大好きな場所」と人も文化も好きだった。

 そんな人柄だから、ファンの期待に応えようといつも必死だった。ある時、シーズン中に足を負傷し、全治1か月以上と診断された。医師は「試合に出てはいけない」としたが、ラミレスはその言葉を受け入れなかった。痛み止めの注射を打って、強行出場。その試合でヒットを打った。少しでも体に違和感があれば、帰国して検査を受ける外国人選手も多い昨今で、チームとファンのために戦うラミレスの姿は、まさに選手の鏡だった。

 最後、ラミレスは独立リーグという舞台で現役生活の幕を閉じたが、まだまだ日本でやり残したことがあるに違いない。それは日本で監督をすることだ。晩年はいつやめてもおかしくない状態だったが、いつか日本で監督をする時にプラスに働くという思いもあり、現役にこだわり続けた。

「私はこれから第2の人生を歩みだすことになりますが、今後も様々な形で野球に携わっていきたいと思っています」

 そうコメントを残したラミレスの今後の歩みを見守っていきたい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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