リーグ優勝MVPは年俸6000万円の“格安選手” ケインのプレーに象徴されるロイヤルズ躍進の要因

驚くべき青木の同僚、高2から野球を始めた28歳が今季飛躍

 青木宣親外野手が所属するロイヤルズは、メジャー新記録となる同一シーズンでのポストシーズン8連勝と破竹の勢いに乗り、ワールドシリーズ進出を決めた。地区シリーズ3連勝同士の対戦となったオリオールズとのリーグ優勝決定シリーズも、相手を圧倒。原動力となったのが、シリーズMVPに輝いた3番打者のロレンゾ・ケイン外野手(28)だ。

 リーグ優勝決定シリーズでは15打数8安打の打率5割3分3厘とチームを牽引した。守備でも超人的な美技を連発。レギュラーシーズンでは、平均的な野手に比べて何点分の失点を防いだかを表す守備防御点で+24を記録したが、その実力を大舞台でも存分に発揮している。

 今季は完全にロイヤルズの主力の1人となったケインだが、それまでは期待されながらも、ブレークを果たせずにいた。レギュラーに定着したのは昨年から。実際に、今季の年俸は54万6000ドル(約6000万円)と、メジャーリーガーとしてはお買い得すぎる額だ。

 地元紙カンザスシティー・スターなどによると、野球を本格的に始めたのは、驚くべきことに高校2年生の時だという。現在の日本のプロ野球選手は、おそらくほぼ全員が甲子園出場に向けて、そしてプロとしてのキャリアも見据えて、猛練習を積んでいた頃だろう。

 大学を経て2004年にメジャーのドラフトにかかったものの、ブルワーズからの指名は17巡目(全体496位)と決して評価が高かったわけではない。しかし、2010年オフにロイヤルズにトレードされたことも転機となり、その才能は今年になって完全に開花した。

 シリーズMVPに輝いた15日の試合後、記者から「過去にMVPに輝いた選手とはまったく異なるバックグラウンドを持っていると思うが」と質問されたケインは、こんなことを話している。

「そうだね。確かに、多くのチームメートや、その他の選手よりも野球を始めたのは遅かった。でも、自分には素晴らしい野球選手になるという断固たる決意があった。そして、ハードな練習、素晴らしいコーチと家族が、現在の自分のような選手になるように後押ししてくれた。とてもうれしいよ。ハードな練習が報われた」

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